2024年冬もしっかり感染予防!インフルエンザワクチン接種の重要性とポイント

画像:2024年冬もしっかり感染予防!インフルエンザワクチン接種の重要性とポイント

2024年11月11日

「今年もそろそろインフルエンザの流行が始まる時期か…」と、予防策について考え始める方も多いのではないでしょうか。
特に学校や職場、医療福祉の現場で働く方々にとって、インフルエンザの流行期は毎年気がかりなものです。「予防接種をしたほうがいいのか?」「ワクチンは本当に効果があるのか?」「副反応が心配だけど大丈夫?」といった疑問を抱えている方も多いかもしれません。
インフルエンザの予防は、ワクチン接種だけでなく、手洗いやマスク着用といった基本的な対策も含めた複合的な取り組みが必要です。 また、インフルエンザにかかってしまった場合、症状が重くなりやすい小さなお子様や高齢者のご家族がいれば、なおさら心配が募るものです。
感染しないために備えたいけれど、ワクチンの副反応も気になる…。そんな方にとって、インフルエンザワクチンがどのような効果をもたらすのか、また安全性について理解することは、予防の選択肢を決めるうえでとても大切なポイントです。
この記事では、インフルエンザワクチンの基本情報、効果や副反応、さらに接種にあたっての注意点や年齢ごとの接種の違いについて、解説していきます。ぜひ予防対策の一環として、ご参考になさってください。

1.インフルエンザの基本情報

インフルエンザの症状と流行シーズン

インフルエンザは、ウイルスによって引き起こされる疾患で、38℃以上の高熱や頭痛、関節痛、全身の倦怠感が急速に現れるのが特徴です。加えて、のどの痛みや咳、鼻水など、風邪と似た症状も出ますが、インフルエンザは風邪に比べて症状が重く、特に小さなお子様や高齢者、免疫力が低下している方は、脳症や肺炎などの合併症を引き起こす場合もあります。

2.ワクチンの効果と接種の意義

ワクチンの効果とその仕組み

インフルエンザワクチンは、不活化ワクチンという、ウイルスの感染性を失わせた成分を使用したものです。このため、ワクチン接種によってインフルエンザそのものを発症することはありません。インフルエンザワクチンには以下の2つの主な効果が期待されています。

  1. 発病予防効果:インフルエンザワクチンには、感染時の発病そのものを防ぐ効果が期待されています。感染しても、ワクチンにより事前に免疫が構築されることで、発病するリスクが減少します。国内の研究では、65歳以上の高齢者に対する発病予防効果が34~55%とされ、6歳未満の小児では発病予防の有効率が60%に達しています。発病を防ぐことによって日常生活への影響や感染拡大を抑制するため、社会的にも重要な意義があります。
  2. 重症化予防効果:インフルエンザに感染して発症した場合でも、ワクチン接種によって重症化するリスクが軽減されます。特に、高齢者や基礎疾患を持つ方は、肺炎や急性脳症といった重篤な合併症を起こす可能性が高いため、この重症化予防効果が重要です。国内の調査では、65歳以上の高齢者におけるワクチン接種が死亡リスクを82%低下させるとされています。ワクチンは、自身の健康を守るだけでなく、医療機関への負担を軽減し、社会全体の健康維持にも寄与します。

効果が安定するまでの期間と持続効果

インフルエンザワクチンは接種後、免疫が十分に構築されるまでに最大で14日ほどかかり、効果が安定して発揮されるピークは接種から約1か月後になります。そのためワクチン接種後約2週間は感染リスクが残ります。このため、流行期の到来に備えて、早めに接種することが推奨されています。ワクチンの有効性は接種後5~6か月間持続するとされており、65歳以上の高齢者を対象とした調査によると、接種から180日間での有効性は54%~67%とされています。しかし、ワクチンの効果は一律に維持されるわけではなく、インフルエンザA型に対しては1か月ごとに約7%、インフルエンザB型に対しては6%から11%ずつ減少することが報告されています。

年齢別の接種回数と量

小児に対しては2回接種が推奨されており、2回目の接種を行うことで、1回接種よりも効果が高まり、接種後1か月で77%の有効性が期待できるとされています。ただし、5か月経過後には50.8%にまで低下するため、2回接種であっても、効果の持続には限界があります。

接種回数

  • 13歳未満:1回接種が原則ですが、医師の判断で2回接種することもあります。
  • 13歳以上:1回接種が原則ですが、医師の判断で2回接種することもあります。

接種量

  • 6か月以上3歳未満:1回あたり0.25mL
  • 3歳以上13歳未満:1回あたり0.5mL

3.ワクチン接種に伴う副反応と安全性

一般的な副反応とその対処法

ワクチン接種後には、免疫がつく過程で副反応が生じることがあります。季節性インフルエンザワクチンで比較的多く見られる副反応には、接種部位の赤み、腫れ、痛みなどがあり、10~20%の方に現れますが、通常は2~3日で治まります。また、5~10%の方には、全身反応として発熱や倦怠感、頭痛が見られますが、これも数日で消失します。

重篤な副反応とその対処法

非常にまれですが、アナフィラキシーショックやじんましん、呼吸困難といった重篤なアレルギー反応が起こることもあります。こうした副反応は接種後すぐに発生するケースが多いため、接種後30分は医療機関内で様子を見て、異常があれば医師に相談しましょう。

4.接種を避けるべきケースと注意点

接種を避けるべき方

以下の方はインフルエンザワクチン接種を控えるべきとされています。

  • ワクチン成分にアレルギーがある方(特にアナフィラキシーの既往がある方)
  • 発熱している方や重篤な急性疾患にかかっている方

接種に注意が必要な方

また、以下に該当する方は接種の際に注意が必要です。事前に医師に相談することをお勧めします。

  • 心臓、腎臓、肝臓の疾患がある方
  • 呼吸器系の疾患がある方(例:喘息)
  • 鶏卵アレルギーがある方(ワクチンの製造過程で鶏卵成分が使われているため)

5.Q&A:インフルエンザワクチンに関するよくある質問

Q1:ワクチンを接種すると必ず発病を防げますか?
A1:ワクチン接種により発病率は下がりますが、完全に発病を防げるわけではありません。ただし、重症化を防ぐ効果があるため、特にリスクが高い方には接種が推奨されます。
Q2:接種後に熱が出ましたが、大丈夫ですか?
A2:軽度の発熱や倦怠感は一般的な副反応で、2~3日で治まることが多いです。症状が長引く場合や重症化した場合は、医師の診察を受けることをお勧めします。
Q3:接種後にインフルエンザに感染することはありますか?
A3:ワクチンは不活化ウイルスを使用しているため、ワクチン自体で感染することはありません。しかし、ワクチン接種後でもインフルエンザにかかることはあります。接種により発病率は低下し、重症化リスクも減少します。
Q4:インフルエンザワクチンは毎年接種する必要がありますか?
A4:インフルエンザウイルスは毎年異なる型が流行するため、そのシーズンに合わせて予測されたウイルス株がワクチンに含まれます。毎年接種することで、流行に合わせた免疫が得られやすくなります。

6.まとめ

インフルエンザワクチンは、感染予防だけでなく、発症した際の重症化を防ぐ重要な手段です。特に、学校や職場など人が集まる環境や、高齢者や小さなお子様がいるご家庭では、インフルエンザの流行を未然に防ぐことが大切です。ワクチンの効果や副反応について正しく理解し、適切なタイミングで接種を受けることが予防に繋がります。
また、インフルエンザに対しては、ワクチン接種に加えて、日常的な手洗い、マスクの着用、そして適切な湿度管理といった基本的な予防策も欠かせません。毎年の接種を迷っている方も、こうした情報を参考にしながら、自分と大切な人の健康を守るための対策を検討してみてください。

参考:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/influenza/index.html

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