医療福祉現場で役立つ歩行介助の基本と補助具の選び方:安全で自立を支えるためのポイント
「歩行介助は、どうしたらより安全でスムーズにできるのだろう?」と悩んだことはありませんか?
医療福祉分野で働く方々にとって、歩行介助は日常的な業務の一つで、ご利用者様の自立をサポートしながら、身体機能の維持や心理的な安定にも寄与する重要な役割を果たします。
特に高齢者や障害を持つ方が対象の場合、安全に配慮しつつ、自信を持って歩行してもらうためには、効果的な介助が欠かせません。
この記事では、①歩行介助の目的と基本的な考え方、②歩行介助の方法と注意点、③歩行器や杖の種類と使用方法、④ご利用者様に合った補助具の選び方について、分かりやすく説明します。
ご利用者様がより自立して生活できるよう、この記事を参考にして、介助の質を高めていきましょう。
目次
1.歩行介助の目的と基本的な考え方
歩行介助は、ご利用者様の安全な移動と自立をサポートするために行います。これにより、以下のような効果が期待されます。
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自立支援:ご利用者様が自分で歩行する力を養うことで、日常生活の自立を促進します。
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身体機能の維持・向上:歩行を続けることで筋力やバランス感覚が保たれ、身体機能の維持や向上に繋がります。
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心理的な安定:歩行ができることによって、自己肯定感や自信が高まり、心理的な安定が得られます。
介護者としては、ご利用者様が安全に、そして快適に歩けるようにサポートすることが基本です。歩行介助は、単なる移動支援にとどまらず、ご利用者様の「自立を支える」ための重要な活動です。
2.歩行介助の方法と注意点
歩行介助にはいくつかの方法があり、ご利用者様の状態に合わせて適切な方法を選びましょう。
1. 事前準備
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環境の確認:歩行する場所に障害物がないか、滑りやすい箇所がないかをチェックします。
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適切な靴:ご利用者様が安全に歩けるよう、滑りにくくフィット感のある靴を履いているか確認します。
2. ご利用者様とのコミュニケーション
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声かけで安心感を与える:歩行を始める前に「これから歩きますね」と声をかけて、安心感を与えます。ご利用者様が何をするのか把握できるように具体的に伝えることで、リラックスして歩行できます。
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意向の確認:ご利用者様にどの程度の距離を歩きたいか、どのようなサポートが必要かを確認することも大切です。
3. 介助のポジションとサポート
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側面からのサポート:介護者がご利用者様の側面に立つことで、安定したサポートが可能です。バランスが崩れやすい場合は、しっかりと腕を支えながらサポートします。
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後ろからのサポート:ご利用者様のバランスが特に不安定な場合、後ろからサポートすることで転倒を防ぎやすくなります。
4. 歩行中の注意点
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ペースの調整:ご利用者様の歩行ペースに合わせて、ゆっくり進みましょう。急かさず、ご利用者様が無理なく歩けるペースでの介助が大切です。
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転倒防止:歩行中は周囲に注意を払い、転倒リスクを最小限に抑えます。また、ご利用者様が疲れている場合や体調が優れない場合には、無理をせず休息を促します。
3.歩行器や杖の種類と使用方法
歩行器や杖は、歩行をサポートするための重要な補助具です。適切に選び、正しい使い方を理解することで、ご利用者様の自立と安全を支援します。
1. 歩行器の種類と使用方法
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固定式歩行器:四本の脚があり、安定性が高いため、重度の歩行障害のある方に適しています。ただし、持ち上げて移動するため、移動距離が短い場合に向いています。
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折りたたみ式歩行器:持ち運びや収納が容易で、固定式と同様に安定性が高いです。
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車輪付き歩行器:前方に車輪がついており、持ち上げることなくスムーズに移動できるため、バランスが不安定な方に適しています。
歩行器の使用方法
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立ち上がる:歩行器の前に立ち、しっかりと握ります。
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移動:歩行器を少し前に押し出し、両手で支えながら一歩ずつ進みます。
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安定性の確認:歩行器の使用中は、常に安定性を確認し、必要に応じて調整しましょう。
2. 杖の種類と使用方法
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一本杖:片手で持てる軽量の杖で、バランスを取るために使用されます。
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四点杖:四つの脚があり、安定性が高いため、バランスを保つのが難しい方に向いています。
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ロフストランドクラッチ:前腕を支える部分があり、長時間の使用にも適しています。
杖の使用方法
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立ち上がる:杖をしっかり持ち、反対側の足を前に出します。
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歩行:杖を前に出し、体重をかけて安定させながら歩行をサポートします。
転倒防止:周囲に気を配り、転倒のリスクを最小限に抑えながら使用します。
4.補助具の選び方と調整
ご利用者様にとって最適な補助具を選ぶためには、使用者の身体状況や利用環境に合わせた選び方が重要です。
1. 補助具の選び方
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体格に合ったサイズ:歩行器や杖はご利用者様の体格に合ったものを選びます。適切な高さでなければ使いにくく、逆に負担がかかる可能性があります。
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握りやすさ:グリップ部分が握りやすく、滑りにくい素材が望ましいです。握力が弱い方には、やわらかい素材のグリップが適しています。
2. 高さの調整
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肘が軽く曲がる程度:歩行器や杖の高さは、ご利用者様が立ったときに肘が軽く曲がる高さが理想的です。この高さ調整により、歩行中の安定感が増し、負担が軽減されます。
3. 使用環境に応じた選択
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屋内用か屋外用か:使用環境によって、適切な補助具が異なります。屋外でも使用する場合は、キャスター付きや折りたたみ式など、用途に合ったものを選びましょう。
収納性と携帯性:折りたたみ式の歩行器や杖は、持ち運びや収納に便利で、車に積む際にも便利です。
5.まとめ
歩行介助、歩行器、杖のそれぞれに適した使用方法や選び方を理解することは、ご利用者様の自立を支援し、安全な移動を促すためにとても重要です。
介護者として、ご利用者様の状態や環境に応じた最適なサポートを提供することで、ご利用者様が安心して自分の足で歩けるよう支援することができます。
定期的な評価と調整を行い、ご利用者様の変化に合わせてサポートを続けることで、日々の介助がより良いものとなるでしょう。
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