医師の転職事情、医師の転職先探しにSNSは有効か?
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医師は、大都市を除き慢性的に人材が不足している職種です。医師免許があれば転職先に困らないため、引く手あまたでスポットや単発などの医師アルバイト求人も豊富なため、副業として勤務している方も多くみられます。
今回は、医師の転職事情や、求人の探し方についてまとめました。
目次
【1】医師が転職を決める三大理由とは?
医師が転職を検討する理由は多岐にわたりますが、大きくは「労働環境や人間関係」「スキルアップやキャリアチェンジ」「給与や福利厚生」が挙げられます。
1.労働環境や人間関係
医師は慢性的な人手不足の医療現場で、長時間労働や不規則な当直業務を強いられることが多く、過去には、週当たりの労働時間が80時間以上という病院も全体の21%に及んでいました。しかし、令和6年4月に新制度がスタート。医師の長時間労働においても、医師の健康を確保する医療体制の改革が進んでいますが、制度が定着するにはまだ時間がかかる現場も多いのが現状です。
参考:厚生労働省「医師の働き方改革」
また、職場内の人間関係が原因で転職を検討する場合も多数あります。 医師同士、または他の医療従事者との人間関係が悪化した場合のほか、 パワーハラスメントやモラルハラスメントなど、不適切な行為に悩まされ、より働きやすい環境を求めて転職することがあります。
2.スキルアップやキャリアチェンジ
医師は、専門的な知識や技術を習得できる環境を求めて、より高度な医療を提供する病院や専門性の高い分野への転職を考えることがあります。それらは、日本国内での転職にとどまらず、海外での転職となる場合もあります。
海外で医師として働く場合は、働く予定の国の医師免許取得が原則必須となります。日本の医師免許がそのまま通用する国は非常に限られています。そのほか、語学力や臨床研修の修了、追加の学位の取得など、働く国によって必要になる用件は様々です。
キャリアチェンジは、これまでとは異なる分野に挑戦したい、研究に専念したい、または臨床以外の仕事に関わりたいといった理由で転職を検討する場合があります。
開業もキャリアチェンジのひとつです。将来的には自分のクリニックを開業したいと考え、その準備段階として他の医療機関で経験を積むことがあります。そのほか、製薬会社や医療機器メーカーでの勤務、ITヘルスケア領域やコンサルティングファームでの勤務など、医師免許や医師の経験は幅広く役立ちます。
3.給与や福利厚生
医師の給与に対する満足度は、労働環境や業務量の満足度と比例する傾向にあります。
大学病院、総合病院など勤務先によって福利厚生や昇給賞与の基準も様々です。より高度なスキル習得とあわせて、給与アップも望める環境にあるのか等を総合的に判断し、転職を進めましょう。
【2】医師の求人の探し方のおすすめは?
医師の転職先探しは、他の医療職と比較し、より専門性が問われる職種であることから、よりクローズドな環境での転職活動が主流です。ご自身の状況や希望に合わせて様々な方法を組み合わせることが効果的です。主な探し方を5つピックアップしました。
1. 医師専門の転職サイト・エージェント:
一番多い探し方は、医療職専門転職サイトや医師専門転職エージェントの活用です。これら専門サービスであることから、多くの医療機関の求人情報が集まっており、効率的に比較検討できます。エージェントサービスは非公開求人の紹介や、条件交渉を代行してくれるなどのメリットがあります。
ジョブソエルのような医療専門求人サイトのほか、転職サイトの比較サイトなども活用し、複数社へ登録、求人を比較検討しましょう。
2. 知人・友人の紹介:
同僚医師や、友人からの紹介なども転職先探しに活用できる情報源です。働いている職員としての職場の雰囲気や人間関係などが聞ける、募集条件以外の情報を事前に聞ける可能性があります。ですが、友人知人という近しい立場であるが故、条件にあわない場合や、勤務後に再度転職を検討する場合、断りにくさや関係性の悪化が懸念される場合もあるため、注意は必要です。
3. 医療機関のウェブサイト:
興味のある医療機関のウェブサイトに掲載されている採用情報を直接確認し、応募する方法もあります。病院によって、掲載している募集情報の量や質は様々で、情報が不十分な場合も多く、詳細な情報は面接時に確認する必要があります。そのため、やや手間がかかる方法です。
4. 医師会・学会の求人情報:
地域に根ざした医療機関や、専門性の高い求人情報が見つかることがあります。
学会によっては、会員限定の求人情報を提供している場合がある半面、情報量が転職サイト・エージェントに比べて少ない場合があります。
5. ハローワーク:
医師専門の求人は少ない傾向がありますが、公的機関ということもあり、安心感があります。ですが、医師の転職への専門的なサポートは期待できない場合があります。
幅広い選択肢の一つとして検討してみるのも良いでしょう。
【3】医師の求人はSNSでも探せる?活用方法と安全性について
最近では、医師が個人名を名乗りSNSでの情報発信を行っている事例も多数あります。SNSで医師の求人を探すことは、従来の求人サイトとは異なるアプローチであり、情報収集の新しい手段の一つとして考えられます。ただし、現時点では、医師に特化した大規模なSNSプラットフォームはなく、個別に医療機関や医師のアカウントをフォローする、医師のコミュニティに参加し情報をチェックすることで、これらのグループ内で、採用情報や医師アルバイトの募集情報が共有されることがあります。
ですが、SNSで医師の採用情報を探す際は、情報の信頼性があるか、必ず第三者への確認や公式な情報源(医療機関のウェブサイトや医師専門の求人サイト)と照らし合わせるなど、細心の注意をはらいましょう。
まとめ
現時点で医師の転職活動は、専門転職サイトやエージェントの利用をお勧めします。SNSやその他友人知人の情報も補助的に活用しつつ、これらのサイトでは、豊富な求人情報の中から、あなたの希望条件に合ったものを効率的に探すことができます。SNSを活用する場合は、上記のような注意点を理解した上で、慎重に情報を収集するようにしてください。

 
                         
                         
                         
                         
                        