【2025年度】ケアマネ試験不合格だった人へ|合格率・気持ちの整理・再受験の流れ
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はじめに:
試験は2025年10月12日に全国一斉に実施され、厚生労働省の公表では受験者はおよそ5万人でした。全国の合格率や合格者数の正式な集計はまだ公表されていませんが、各都道府県の発表を見ると、合格率が3割に届かない地域も多く見られます。
昨年度の全国合格率32.1%と比べると、数字の上では合格する人がやや少ない年だったと考えられます。
この記事では、不合格だった人に向け、
・今回の結果をどう受け止めるか
・来年も受験するかどうかを考えるときの視点
・「もう一度受ける」と決めた場合の1年間のおおまかな過ごし方
といったポイントを順番に整理していきます。
目次
1. 2025年度のケアマネ試験はどんな年だった?
①2025年度ケアマネジャー試験日程と受験者数
2025年度(第28回)の介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)は、全国一斉に2025年10月12日(日)に実施されました。
厚生労働省が公表している実施状況によると、全国の受験者数は次のとおりです。
- 受験者数:50,618人
全国の合格者数や合格率については、今後、厚生労働省から正式な集計が公表される見込みです。
②都道府県別の合格率から見えること
全国集計が出る前ではありますが、都道府県ごとの結果から、今年のおおまかな傾向をつかむことができます。いくつかの都道府県では既に結果が公表されています。例えば、
- 福岡県:合格率 27.1%(1,903人中516人)
- 愛媛県:合格率 24.5%(670人中164人)
- 兵庫県:合格率 24.1%(2,333人中562人)
といったように、3割に届かない合格率が続いています。
ケアマネ試験の合格率は、ここ数年おおむね3割前後で推移しており、「だいたい3〜4人に1人が合格する試験」と捉えることができます。
昨年度(第27回)の全国合格率は32.1%でしたので、それと比べると、今年は数字のうえではやや低めの水準になっている年だと分かります。
2. 不合格直後の気持ちをどう扱う?
①まずは「いろいろな気持ちが出てくるのは自然」と整理する
合格発表の日、結果を見て、気持ちが大きく揺れた方も多いと思います。例えば、次のような感情はよくあります。
- 「あれだけ時間を使ったのに、報われなかった気がする」
- 「家族や職場に応援してもらったのに、申し訳ない」
- 「同僚が受かったと聞くと、自分だけ遅れているように感じる」
どれも特別なものではなく、真剣に取り組んだからこそ出てくる反応です。
ケアマネ試験は、ここ数年 3割前後の合格率で推移しています。今年も、都道府県の結果を見る限り、その水準を下回る地域もあります。
数字だけを見ても「受かることが当たり前」という試験ではありません。今回の結果だけで、自分の力のすべてを判断する必要はありません。
②心を守るために”不合格”から距離をとってよい
不合格を知った直後の数日〜数週間は、気持ちが落ち着きにくい時期です。そんなときは、いったん試験から距離を置くことで、心が整理されやすくなります。
- テキストや問題集は捨てずに、しばらく見えない場所にしまっておく
- 合格した人の話題やSNS投稿を、無理に追わない
- 職場の「お疲れさま会」「合格祝い」の席は、気持ちが整うまで無理に参加しない
- 信頼できる人にだけ、「今年は受からなかった」と淡々と伝える
こうした行動は「逃げ」ではなく、今の自分を守るための調整です。
気力が落ちている時期に情報を浴びすぎると、必要以上に落ち込んでしまうことがあります。まずは生活リズムを整えたり、家族との時間をゆっくり取ったりしながら、気持ちが戻るのを待つ時間も大切です。
③少し落ち着いたら、「来年の自分」をイメージしてみる
気持ちの波が少し落ち着いてきた頃、「1年後、どんな働き方をしていたいか」を考えてみると、次の一歩が見えてきます。
- ケアマネとして働く姿が浮かぶか
- それとも、今の職場で別の役割を深めていきたい気持ちが強いか
- 家庭・仕事・体力のバランスを考えたとき、来年の受験が現実的か
無理に答えを出す必要はありません。
「もう受けたくない」と思うのも自然ですし、「悔しいから挑戦したい」と思うのも自然です。
この段階の目的は方向性を決めることではなく、気持ちを丁寧に拾い上げることです。
自分の中の本音が少しずつ見えてくると、次の章で扱う「受験するかどうかを考える視点」も整理しやすくなります。
3. 来年もケアマネ試験を受ける?もしくは いったんお休みする?
来年すぐにケアマネジャーを再受験にむけ準備をするか、いったん距離を置くか。
どちらにするか迷うときは、気持ちだけで決めようとすると行き詰まりやすくなります。ここでは、次の三つの視点から今の状態を振り返り、試験勉強を継続できそうか考えてみましょう。
① 自身の現在の年齢やキャリアの節目から考える
- 数年以内にケアマネとして経験を積み始めたいと思っている
- 今後、職場で役職や異動などの変化が控えている
- 体力面や働き方のバランスを考え、今のうちに仕事の軸を整えておきたい
自分のキャリアをどの方向に動かしたいかによって、受験のタイミングは変わってきます。何歳までにどの職種で経験を積んでおきたいか、一度立ち止まって考えてみる視点です。
② 現在の仕事の状況と生活とのバランスから考える
- 夜勤や残業が続いておらず、生活リズムにある程度の規則性がある
- 子どもの進学や家族の介護など、大きなイベントが当面は重なっていない
- 1週間のどこかに、勉強の時間を置けそうな枠が思い浮かぶ
働き方と生活の状況は、勉強を続けるうえでの土台になります。具体的な時間数まで決めなくても、どの曜日・どの時間帯なら机に向かえそうかを一度イメージしてみると、現実味のある判断材料になります。
③ 職場の環境が整っているか
- 上司や同僚に、受験の話題を出しても大丈夫だと感じている
- シフトの希望や有休取得について、相談できる雰囲気がある
- 合格した場合の配置や担当業務について、ある程度の見通しを持てている
ケアマネ試験は、働きながら取り組む人が多い資格試験です。職場の理解やサポートがどの程度ありそうかも、来年受験するかどうかを考えるうえでの大きなポイントになります。
今後の方向性を考えるときのヒント
ここまでの三つの視点を踏まえつつ、次のような点にどのくらい当てはまりそうかを振り返ってみると、今後の方向性を考えるときの手がかりになります。
- 数年以内にケアマネとして働く姿を思い描いている
- 週のどこかに、勉強の時間を取れそうな枠がある
- 職場に、受験の相談をしてみたい相手がひとりはいる
- 合格した場合の働き方について、なんとなくでもイメージがある
これらの項目に当てはまる部分が多いと感じる場合は、来年の受験に向けて準備を進めやすい状態に近いと考えることもできます。
一方で、
- 家族の介護や子育てで、これからしばらく負担が増えそう
- 人員不足などで、シフトが直前まで読めない
- 今はまず、心身の回復を優先したい気持ちが強い
といった状況が重なっている場合は、受験はあえて1年あけるほうが合っている人もいます。
どちらが良いかを一度で決める必要はありません。
ここで挙げた視点や項目を参考にしながら、「来年も再受験する案」と「来年はいったんお休みする案」のどちらが今の自分には近いかを、少しずつイメージしてみてください。
4. 「来年もケアマネ試験を受ける!」と決めた人のための1年間の流れ
ケアマネ試験は例年、次のような流れで実施されています。
具体的な日程は、必ず各都道府県の実施要項で確認する必要があります。
ここでは、こうした時期感をもとに、1年間の流れを四つの段階に分けて整理します。
① 2026年明け〜春(〜4月):前回の受験を振り返る時期
11月の合格発表から少し時間が経ち、「早めに再受験に向け取り組みたい」「少し距離を置きたい」など、気持ちの状態は人それぞれです。
一方で、職場では年度替わりに向けた人事・シフトの調整が始まり、家庭では進学や生活環境の変化が見えてくることも多い時期です。
この時期に意識しておきたいのは、次のような点です。
- 今年の試験で迷った分野や、時間配分で気になった場面を思い返しておく
- 前回の結果や自己採点を見直し、「どの分野を厚めに復習したいか」か整理する
- 仕事・家事・家庭の状況から、この1年でどの程度の勉強時間をとれるか、見通しを持っておく
- 「テキストはそのまま/問題集だけ新しくする」「今回はオンライン講座も併用する」など、今年の学習スタイルの方針を考え、必要に応じて情報収集する
ここでは、細かい計画を作るというよりも、
「どこを重点的に学びたいか」「どのような方法で進めるか」といった全体像をイメージしておくとよいでしょう。
② 春〜初夏(5〜6月):受験申込と勉強ペースの確認
この時期は、「今年も受験する」という考えを、ケアマネ試験への申込手続きという形で確定させる時期です。
各都道府県から受験案内が公表・配布され、申込受付が始まります。
押さえておきたい点は、次のとおりです。
- 受験予定の都道府県の受験案内(申込期間・試験日・会場など)を公式サイトで確認する
- 案内に沿って申込手続きを進める。締切ぎりぎりではなく、余裕を持って申し込む
- 試験日を起点に、年間の流れをもう一度見直し、勉強のペースや段取りを整え直す
- 例えば「平日はテキストを30分」「休日の午前中は問題演習」といった、自分なりのペースやルールを決めてみる
この時期は、忙しい状況であっても「受験案内の確認」と「申込を終えること」が最優先になります。
そのうえで、試験日から逆算して「どの月に何をするか」をおおまかに考えておくと、夏以降の計画を立てるときの目安になります。
③ 夏〜試験直前(7〜9月):勉強の比重を高めていく時期
試験が近づくにつれて、勉強量を増やしたくなる一方で、仕事や生活も忙しくなりやすい時期です。
職場や家庭では、夏休み・お盆・行事など予定が入りやすく、模試や予想問題が出回ることで、周囲の試験ムードも高まってきます。
この時期に意識したいのは、次のような点です。
- すべてに手を広げるより、やることの優先順位決める
- 模試を受ける場合は、この時期を一つの目安とする
- 模試や過去問の結果を見て、直前期に時間をかけたい分野を考える
- 職場に対して、試験日や直前期の勤務調整(休みたい日、残業を控えたい週など)が必要な場合は、早めに相談しておく
この時期は、勉強時間だけでなく、勤務や家庭行事なども見ながら、「負荷が高くなる週」と「比較的ゆとりのある週」を把握しておくことで、どのタイミングで学習量を増やすかが見えてきます。
④ 本番1か月前〜ケアマネ試験当日:生活リズムと体調の調整
ケアマネ試験本番までの残り日数がはっきり見え、プレッシャーも高まりやすい時期です。
焦りから新しい教材に手を伸ばしたくなることもありますが、直前に大きく方針を変えると不安が増える場合があります。
この時期のポイントは、次のとおりです。
- 直前期に取り組む範囲をあらかじめ決め、やることを増やしすぎない。
- 勉強のリズムだけでなく、生活のリズムも大きく崩さないように意識し、睡眠や体調にも気を配る
- 試験当日の持ち物・移動手段・会場までの所要時間を早めに確認し、当日に迷わない状態にしておく
- 前日は、取り組む内容の範囲を決め、その確認が終わったら休む意識も大切
前日の目標を「新しい知識を増やす」ことだけに置かず、「これまで取り組んできた内容の最終確認」と「当日に向けた体調管理」をあわせて意識しておくと、本番も比較的落ち着いた状態で試験に向かえます。
5. 今年の不合格を「来年の合格」につなげるために見直しておきたいこと
ここまで、ケアマネ試験の再受験に向けた「気持ちの整理」や「1年間の流れ」について見てきました。
一方で、
- 結局、次の勉強はどこから始めればよいのか
- 今年の不合格を、来年の勉強にどう結びつけるのか
が気になっている方も多いと思います。
ここでは、今年の取り組みを振り返るときに、入口として意識しておきたい点を三つに絞って整理します。
① 自分の試験結果からつまづき方を振り返る
最初に、結果票や自己採点のメモを見ながら、
- 「あと一歩だった問題」
- 「何を聞かれているのか分からなかった問題」
を分けてみる、という考え方があります。
解いているときの感覚を思い出してみると、
- 文章は読めたが、選択肢の中から一つに絞れなかった
- 設問の意図そのものがつかめず、どこから考えればよいか迷った
- 用語自体を初めて見る感覚があり、その時点で手が止まった
といった違いが見えてくると思います。また、
- 介護支援分野と、保健医療サービス・福祉サービスのどちらで不安が大きかったか
- 用語そのものが分からないのか、場面のイメージが浮かびにくいのか
この点を整理をしておくと、次に 「どこから学習するか」の優先順位もつけやすくなります。
② 学習計画で優先したい分野を考える
学習量を増やす前に、最初の数か月で取り組む方向だけを決めておくと、迷いが少なくなります。
例えば、
- 介護支援分野で、事例問題やケアプランに関する設問で迷うことが多かった
→ 制度の流れや基本的な考え方を、図や解説つきの資料で整理する時間を増やしてみる - 保健医療サービスや福祉サービスで、用語の多さに戸惑うことが多かった
→ よく出てくる語句を一覧にしておき、意味や背景と合わせて見直す日を作ってみる
といった進め方も一案です。
全員がこの通りというわけではありませんが、
- 「今年どこでつまずいたか」を振り返る
- その結果をもとに、「次はどこから重点的に見直すか」を決める
といった形で、「まずはこのあたりから」という目安を一つ決めておくイメージです。
すべてを一度に完璧にするというより、優先順位を決めることで、その後の過去問演習にもつなげやすくなります。
③ 過去問や模試を「解きっぱなし」にしない
来年も受験する場合、過去問や模試にどう向き合うかも、一度考えておきたいポイントです。
過去問を解いたあとは、正解・不正解だけで終わらせず、
- 正解の選択肢が「なぜ」正しいのか
- 不正解の選択肢は、「どこが違う」のか
- 不正解の選択肢は「どのように書き換えると正解になるか」
といった点を、振り返っておくと、「何となく解けた」「何となく間違えた」で終わりにくくなります。
模試についても、
- 受験するかどうかより、「復習に時間を割けるかどうか」を基準に考える
- 結果を見て、直前期に補っておきたい内容を確かめる
といった視点を持っておくと、点数だけに一喜一憂せず、次の勉強の方向を考える材料として活かすことができます。
6. まとめ:
ケアマネ試験を目指す過程には、勉強だけでなく、働き方や将来への考え方も含まれます。不合格となった年は、その方向性を見直す機会でもあります。
現在の業務で深めたい経験があるのか、将来ケアマネとしてどの場面に関わりたいのかを考えてみることで、来年の受験が自分のキャリアにどうつながるのかが見えてきます。
今回の記事が、来年度の準備や働き方を考える際のひとつの視点になれば幸いです。
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参考サイト
厚生労働省:介護職員・介護支援専門員
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000054119.html
厚生労働省:第28回介護支援専門員実務研修受講試験・受験者数
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000180369_00021.html
厚生労働省:第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00012.html
福岡県:令和7年度介護支援専門員実務研修受講試験の実施結果
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/keamaneshikenkekka.html
愛媛県:令和7年度(第28回)愛媛県介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験の合格者等について
https://www.pref.ehime.jp/page/127820.html
兵庫県:第28回(令和7年度)兵庫県介護支援専門員実務研修受講試験の合格者等の状況
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf27/h29sikenkekka.html
兵庫県:介護支援専門員実務研修受講試験について
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf05/keamanesiken.html
福岡県:令和7年度介護支援専門員実務研修受講試験
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/keamaneshiken.html
