【介護施設管理者向け】WBGT(暑さ指数)とは?労働安全衛生規則改正で求められる熱中症対策と職場環境改善

経営・採用 施設管理者
掲載日: 2026.06.05
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はじめに:

近年の猛暑により、介護施設における熱中症対策は、現場だけではなく施設運営上の重要課題になっています。

特に、

  • 入浴介助時の職員負担増加
  • 訪問介護・送迎時の暑熱リスク
  • 夏場の体調不良や離職リスク

などに課題を感じている施設管理者の方も多いのではないでしょうか。

 

さらに、労働安全衛生規則改正や熱中症対策強化の流れを受け、介護施設にも「職員の作業環境を適切に管理すること」が求められるようになっており、その中で注目されているのが、「WBGT(暑さ指数)」です。

この記事では、WBGTの基本から、介護施設で求められる熱中症対策、職員定着や採用にもつながる職場環境改善について、施設管理者向けにわかりやすく解説します。

 

 

WBGT(暑さ指数)とは?

WBGTとは、「Wet Bulb Globe Temperature」の略で、日本語では“暑さ指数”と呼ばれています。

単純な気温だけではなく、

  • 湿度
  • 輻射熱(照り返しや日差し)
  • 風通し

などを含めて、熱中症リスクを数値化した指標です。

 

たとえば同じ30℃でも、

  • 湿度が高い
  • 空気がこもっている
  • 風がない

といった環境では、職員の身体への負担は大きく変わります。

 

特に介護施設では、

  • 浴室
  • 脱衣所
  • 厨房
  • 送迎待機スペース

など、高温多湿になりやすい場所が多く、WBGT管理が重要になっています。

 

 

介護現場は“熱中症リスクが高い職場” 

介護職員は、利用者対応を優先するあまり、自身の体調管理が後回しになりやすい傾向があります。

現場では、

  • 「忙しくて水分補給できない」
  • 「休憩に入りづらい」
  • 「空調を強くすると利用者様が寒がる」

といった声も少なくありません。

 

しかし、熱中症は“気合い”で防げるものではなく、環境管理が非常に重要です。

実際、入浴介助は介護業務の中でも特に身体負荷が高く、

  • 高温多湿環境
  • 中腰姿勢
  • 移乗介助
  • 連続対応

が重なることで、短時間でも体力を大きく消耗します。

 

また、訪問介護や送迎業務では、屋外移動による暑熱負荷も無視できません。

今後は、職員個人の注意だけではなく、“施設としてどう対策するか”が重要な時代になっています。

 

 

労働安全衛生規則改正で介護施設で求められる視点とは?

近年の法改正や行政指導では、熱中症対策において以下のような観点が重視されています。

  • 作業環境の把握
  • 熱中症リスクの低減
  • 適切な休憩確保
  • 水分・塩分補給体制
  • 緊急時対応
  • 職員教育

つまり、「暑かったら各自気をつけてください」ではなく、事業者側が予防体制を整えることが求められています。

 

介護施設においても、

  • WBGT値を確認する
  • 業務負荷を分散する
  • 空調管理を見直す
  • 休憩しやすい体制を作る

といった対応が、今後より重要になるでしょう。

 

 

 

施設管理者として取り組みたい環境改善

1. WBGT計の導入と“見える化”

介護施設の熱中症対策で、まず重要になるのが「暑熱環境の見える化」です。
特養・老健・有料老人ホーム・デイサービスなど、介護施設では場所によって暑さの感じ方が大きく異なります。

特に、

  • 入浴介助を行う浴室・脱衣所
  • 機械浴エリア
  • 厨房周辺
  • 西日が入る共有フロア
  • 送迎前後の待機スペース

などは、高温多湿になりやすく、介護スタッフの身体負担も大きくなります。

 

しかし現場では、

「毎年こんな感じだから」
「今日は暑いね」
と感覚的な判断になってしまうことも少なくありません。

 

WBGT値を把握することで、

  • どのエリアが危険なのか
  • どの時間帯に負荷が高まるのか
  • いつ休憩を入れるべきか

を、施設管理者や介護リーダーが客観的に判断しやすくなります。

 

また、

  • WBGT値が一定以上なら小休憩を実施
  • 入浴介助人数を調整
  • シフト配置を変更
  • 空調を強化

など、介護現場のオペレーション改善にもつなげやすくなります。

 

最近では、「職員の安全管理を重視している施設」として、採用ページや求人票に熱中症対策を記載する介護施設も増えています。

介護職・看護師・生活相談員など、求職者側も“働きやすい職場環境”を重視する時代になっているため、環境改善は採用強化にもつながる重要なポイントです。

 

2. 水分補給を“個人任せ”にしない

介護現場では、責任感の強い介護職員ほど無理をしやすい傾向があります。

  • 「コール対応があるから後で飲もう」
  • 「人手不足で抜けづらい」
  • 「利用者様対応を優先したい」

このような状況から、水分補給が後回しになってしまうケースも少なくありません。

 

しかし、熱中症対策では“のどが渇く前の水分補給”が重要です。

そのため施設側には、「自由に飲んでください」だけではなく、“水分補給しやすい仕組みづくり”が求められます。

 

たとえば、

  • 定時での飲水声かけ
  • 塩分補給タブレットの設置
  • スポーツドリンク支給
  • バックヤードへの冷蔵庫設置
  • 短時間休憩のルール化

などは、比較的導入しやすい対策です。

 

また、施設管理者や主任・看護主任クラスの役割として重要なのが、
「休憩を取りやすい空気づくり」です。

介護施設では、
「周りが忙しそうだから休みにくい」
という心理的負担も起こりやすいため、

  • 一時的にフォローへ入る
  • 交代しやすいシフトにする
  • 声を掛け合う文化を作る

といったマネジメントも重要になります。

 

特に介護業界では、職員定着率や離職防止が大きな課題です。

そのため最近では、
「職員を大切にしている施設か」
を重視して転職活動をする介護職員も増えています。

 

3. 入浴介助の負担分散

介護業務の中でも、特に熱中症リスクが高いのが入浴介助です。

  • 高温多湿
  • 蒸気がこもる
  • 中腰姿勢
  • 移乗介助
  • 連続対応

など、身体負荷が非常に高く、夏場は短時間でも体力を消耗します。

 

特に、

  • デイサービスの入浴回転数が多い施設
  • 人員配置がギリギリの現場
  • 特養や老健の機械浴対応

では、介護スタッフの疲労蓄積が起こりやすくなります。

 

そのため、施設管理者としては“現場の頑張り頼み”にしない業務設計が重要です。

たとえば、

  • 長時間連続で入浴担当をさせない
  • ローテーション制にする
  • クールダウン時間を設ける
  • サーキュレーターを導入する
  • 浴室周辺の空調を見直す

など、設備面・運営面の両方から改善する必要があります。

 

また、
「暑い」
「かなりきつい」
という現場の声を、“弱音”として扱わないことも重要です。

介護職員は責任感が強く、我慢してしまう方も多いため、施設側が早めに負担へ気づける環境づくりが求められます。

 

4. 「休みづらい空気」を改善する

介護施設では、
「自分が抜けると現場が回らない」
という責任感から、体調不良を我慢する介護職員も少なくありません。

 

特に、

  • 人手不足
  • シフト制
  • 利用者対応優先

という環境では、
「少しぐらいなら大丈夫」
と無理をしてしまうケースもあります。

 

しかし熱中症は、初期対応が非常に重要です。

  • めまい
  • 頭痛
  • 吐き気
  • 強いだるさ
  • 異常な発汗

などは、熱中症のサインである可能性があります。

 

そのため施設管理者や管理職には、

  • 無理をさせない
  • 早めに申告を推奨する
  • 「休んでいい」と明確に伝える
  • フォロー体制を作る

といった“安全文化づくり”が求められます。

 

特に最近は、介護求人を探す求職者の中でも、

  • 働きやすい職場
  • 職員同士の雰囲気
  • 管理者の対応
  • 安全配慮がある施設

を重視する方が増えています。

 

つまり、熱中症対策や職場環境改善は、単なる法令対応ではなく、

  • 介護職員の定着
  • 離職率低下
  • 採用力向上

にもつながる重要な取り組みと言えるでしょう。

 

 

施設管理者向け|熱中症対策・職場環境改善チェックリスト

「対策をしているつもりだったけれど、改めて見ると不足していた」
というケースは少なくありません。

特に介護施設では、日々の業務に追われる中で、暑熱対策が現場任せになってしまうこともあります。

まずは、自施設でどこまで対応できているか、チェックしてみましょう。

 

WBGT・暑熱環境管理

  • WBGT計(暑さ指数計)を設置している
  • 浴室・脱衣所・機械浴エリアなど高温多湿エリアを把握している
  • WBGT値を基準に休憩や業務調整を行っている
  • 空調・サーキュレーター・換気設備を定期確認している
  • 西日や熱がこもる場所への対策を実施している

 

水分・塩分補給対策

  • 定期的な水分補給の声かけを行っている
  • スポーツドリンクや経口補水液を準備している
  • 塩分補給タブレット等を設置している
  • バックヤードに冷蔵庫や給水環境がある
  • 「忙しくて飲めない」を防ぐ運営体制を意識している

 

入浴介助・業務負担対策

  • 入浴介助を長時間連続で担当させていない
  • ローテーション制を取り入れている
  • 小休憩やクールダウン時間を設けている
  • 夏場の人員配置を見直している
  • 現場からの「暑い・きつい」という声を把握できている

 

職員の安全管理・マネジメント

  • 熱中症の初期症状について職員へ周知している
  • 「体調不良を申告しやすい雰囲気」がある
  • 管理者・主任が現場フォローへ入る体制がある
  • 無理を美徳にしない文化づくりを意識している
  • 新人職員・外国人スタッフにも熱中症教育を行っている

 

採用・職場改善発信

  • 熱中症対策や環境改善を求人票へ記載している
  • 「働きやすさ」を求職者へ発信できている
  • 職場の雰囲気やサポート体制を紹介している
  • 現場の取り組みを採用ブランディングに活用している
  • 職員定着を意識した職場改善を継続している

 

チェックが少なかった項目は、これからの改善ポイントかもしれません。

 

環境改善は“採用・定着”にも直結する

現在の介護業界では、多くの施設が人材確保に課題を抱えています。

特に、

  • 介護職
  • 看護師
  • ケアマネジャー
  • 生活相談員
  • サービス提供責任者
  • 管理者候補

などは、慢性的な人手不足が続いており、
「採用しても定着しない」
という悩みを持つ施設管理者の方も多いのではないでしょうか。

 

その中で近年、求職者の職場選びは大きく変化しています。

以前は、

  • 給与
  • 年間休日
  • 勤務地

が重視される傾向が強くありました。

 

もちろん現在でも重要な条件ですが、最近ではそれに加えて、

  • 職員を大切にしているか
  • 現場の負担軽減に取り組んでいるか
  • 無理な働き方をしていないか
  • 管理者が現場理解をしているか
  • 安全配慮があるか

といった“職場環境”を重視する求職者が増えています。

 

実際、介護職として転職活動をしている方からは、

  • 「毎年夏になると体調を崩す職員がいた」
  • 「人が足りず休憩が取れなかった」
  • 「体調不良を言い出しづらかった」
  • 「入浴介助が連続でかなりきつかった」

という理由で転職を考えた、という声も少なくありません。

つまり、現場環境への不満は、そのまま離職理由につながりやすいということです。

逆に言えば、環境改善に取り組んでいる施設は、
求職者から“選ばれやすい施設”になりやすいとも言えます。

 

たとえば、

  • WBGT計を設置している
  • 夏場は入浴介助をローテーション化している
  • 小休憩を取りやすい
  • スポーツドリンク支給がある
  • 空調設備改善を行っている
  • 管理者が現場フォローに入る

などの取り組みは、実際に働くイメージにつながりやすく、
求人票や採用ページでも差別化ポイントになります。

 

特に最近は、求人サイトを見る際に、

  • 「働きやすそうか」
  • 「職員を大切にしていそうか」
  • 「現場の雰囲気は良さそうか」

を重視している求職者も増えています。

 

そのため、熱中症対策や安全配慮は、単なる法令対応ではなく、

  • 離職防止
  • 採用強化
  • 職員満足度向上
  • 定着率改善
  • 口コミ評価向上

にもつながる“経営課題”として考えることが重要です。

 

また、職員が安心して働ける環境は、結果として利用者様へのサービス品質向上にもつながります。だからこそ今後は、 「人手不足だから仕方ない」ではなく、

  • 現場負担をどう減らすか
  • 働きやすい環境をどう作るか
  • 職員が長く働ける施設にできるか

という視点が、介護施設運営でますます重要になっていくでしょう。

また、働きやすい環境づくりに取り組んでいる施設ほど、その取り組みを“求職者へしっかり伝えること”も重要になっています。

 

せっかく、

  • 熱中症対策を行っている
  • 職員負担軽減に取り組んでいる
  • 休憩を取りやすい体制を整えている
  • 現場フォローを大切にしている

といった環境改善を進めていても、求人票だけではなかなか伝わらないケースも少なくありません。

 

最近の介護職・看護師・施設管理者候補の求職者は、給与や休日だけではなく、

  • 「どんな職場なのか」
  • 「どんな人が働いているのか」
  • 「現場の雰囲気はどうか」
  • 「無理なく働けそうか」

といった“働くイメージ”を重視する傾向があります。

 

そのため採用活動では、条件面だけではなく、「職場の考え方」や「働く環境」を発信していくことが重要です。

 

ジョブソエルでは、

  • 「求める人材」
  • 「一日の働き方」
  • 「スタッフインタビュー」
  • 「職場の特徴」
  • 「教育・サポート体制」

など、求人票だけでは伝えきれない情報を掲載できるコンテンツも用意されています。

 

例えば、

  • 「夏場は入浴介助をローテーション制にしています」
  • 「WBGT計を導入し、暑熱管理を行っています」
  • 「小休憩を取りやすいよう管理者も現場フォローに入ります」

など、実際の取り組みを発信することで、求職者に安心感を持ってもらいやすくなります。

 

これからの介護採用では、「募集を出す」だけではなく、“どんな環境で働けるのか”を伝えることが、採用・定着の両面で重要になっていくでしょう。

 

 

まとめ

労働安全衛生規則改正や熱中症対策強化の流れにより、介護現場でもWBGT(暑さ指数)を活用した作業環境管理が重要視されています。

特に介護業界では、

  • 入浴介助
  • 訪問介護
  • 送迎業務

など、暑熱リスクの高い業務も多く、施設側による安全配慮が欠かせません。

 

これからは、
「職員の頑張り」に頼るのではなく、

  • 環境を整える
  • 無理をさせない
  • 安全に働ける仕組みを作る

という視点が、施設運営においてますます重要になっていくでしょう。

 

また、働きやすい職場づくりは、採用や定着にも大きく影響します。

「職員を大切にする施設で働きたい」
そう考える求職者も増えている今、環境改善への取り組みを採用活動に活かすことも重要です。

 

介護・福祉業界の求人掲載や採用強化を検討している施設管理者の方は、ぜひ「ジョブソエル」を活用し、自施設の魅力発信につなげてみてはいかがでしょうか。

 

参考・出典

 

 

 

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