医療業界の採用試験の内容とは?適性検査の内容・種類と対策法について

転職ノウハウ
掲載日: 2025.01.30
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医療業界の採用試験を受ける際、「適性検査」に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
「どんな問題が出題されるのか」「結果が採用にどう影響するのか」といった疑問を抱える方も少なくありません。特に初めて適性検査に挑戦する場合、内容が分からないことで準備に戸惑ってしまうこともあるでしょう。

適性検査は、応募者の性格や能力を評価するために多くの医療機関や企業で実施される試験です。職場環境に適応できるか、業務を効率的に遂行する素養があるかを測る目的で行われます。

本記事では、医療業界の採用試験における適性検査について、流れや種類、評価されるポイント、そして効果的な対策方法を詳しく解説します。
適性検査に不安を感じる方が、試験当日に自信を持って挑めるよう、ぜひ最後までご覧ください!

 

 

1.医療業界の採用試験とは?その内容と流れを解説 

退職を考えるとき、最初のハードルは「いつ、どのように意思を伝えるか」です。
「退職の意向を伝えるのが気まずい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
医療・介護業界の忙しい現場では、突然の退職が職場や患者さまに与える影響が大きいため、慎重な対応が求められます。しかし、適切なタイミングと方法を選べば、円満退職への道が開けます。

① 採用試験の一般的な流れ 

医療業界の採用試験は、他業界の採用試験と共通する部分もありますが、患者対応力や倫理観など、業界特有の要素が重要視されます。ここでは、採用試験の一般的な流れを具体的に解説します。

1.書類審査
採用試験の第一歩となる書類選考は、応募者の基本情報やスキルを確認する重要なプロセスです。必要書類としては、以下のものが一般的です。

必要書類

  • 履歴書: 学歴や職歴などの基本情報を記載する。誤字脱字がないことが大切です。

  • 職務経歴書: 過去の経験や実績を具体的に記載し、応募先への貢献をアピールします。

  • 資格証明書: 応募する職種に必要な資格(例: 看護師免許、介護福祉士資格など)の証明書。

2.筆記試験
書類審査を通過した応募者は、筆記試験に進みます。筆記試験は、応募者の基礎知識や専門知識、適性を評価するために実施されます。

  • 一般常識問題: 国語や数学、時事問題などの社会人としての基礎力を確認します。

  • 専門知識問題: 応募職種に応じた知識を問われます(例: 看護師なら基礎看護学、薬剤師なら薬理学など)。

  • 適性検査: 性格や価値観、ストレス耐性を測定し、職場との適合性を判断します。

  • 作文・小論文: 志望動機や職業観、医療業界の課題について意見を述べる内容が出題される場合があります。

3.面接
筆記試験をクリアすると、いよいよ面接です。面接は、応募者の人間性や価値観を見極める重要なプロセスです。特に医療業界では、患者対応やチームワークへの姿勢が評価されます。

■形式

  • 個別面接: 面接官と1対1で行われる形式。志望動機や具体的な経験について深く掘り下げられます。

  • 集団面接: 他の応募者と同席して行われ、比較評価される形式です。

  • 役員面接: 採用の最終段階として、施設の経営陣や採用責任者が参加することが多いです。

② 医療業界の適性検査はどのタイミングで実施される? 

適性検査は、すべての病院や施設で必ず行われるわけではありません。特に小規模な病院や施設では、適性検査を省略し、書類選考や面接結果に重点を置いて選考を進めることもあります。一方、応募者が多い大学病院や公立病院では実施される傾向が強いです。

一般的には、適性検査は書類選考を通過した後に行われる筆記試験の一部として実施されます。この段階では、応募者の基礎的な能力や専門知識とあわせて、性格や価値観の適性が評価されます。
適性検査は、採用側にとって応募者の総合的な適応力を測るための重要な材料となります。

ただし、すべての施設が同じ流れで実施するわけではありません。面接後に適性検査を実施し、面接での印象を補完する形で活用する施設もあれば、最終選考段階で慎重に適性を確認するために実施する施設もあります。
また、応募者が多い場合には、書類選考直後に適性検査を行う場合もあります。

適性検査の有無や実施のタイミングは施設ごとに異なるため、事前にすべてを把握するのは難しいかもしれません。しかし、選考スケジュールを事前に確認しておくことは非常に重要です。
適性検査がどの段階で行われるのかを把握しておくことで、効率的に準備を進めることができるでしょう。

 

2.医療業界における適性検査の概要  

医療業界で適性検査が導入される主な目的は、応募者が職場や業務に適応できるかを確認することです。
医療現場では、専門性だけでなく、患者対応力やチーム医療への適応力が求められます。
そのため、適性検査を通じて、採用後のミスマッチを防ぎ、職場の安定化や医療サービスの質を確保することが重要視されています。

適性検査では、以下のような点が特に重視されます:

  • ストレス耐性
    突発的な出来事やプレッシャーの中で冷静に対応する力を測定します。

  • 協調性
    チーム医療を基本とする医療現場では、他職種や患者、その家族との円滑なコミュニケーション能力が不可欠です。

  • 倫理観
    患者の安全やプライバシーを守る高い倫理観を備えているかを確認します。

  • 基礎的能力
    言語力、計算力、論理的思考力など、医療業務をスムーズに遂行するための基本スキルが評価されます。

適性検査を導入することで、採用側には次のような利点があります:

  • 採用後のミスマッチ防止
    応募者の適性を事前に把握することで、採用後の「思っていた仕事と違う」といったトラブルを防ぎます。

  • 公平で客観的な選考基準の確立
    検査結果は数値やデータとして可視化されるため、透明性のある公平な選考が可能となります。

  • 多面的な人材評価
    面接や書類だけでは把握しきれない応募者の人間性やストレス耐性、リーダーシップなどを評価できます。

  • 業務適性の確認
    医療現場で必要な基礎能力を測定し、業務への適応力を評価します。

適性検査は単に合否を判断する試験ではありません。応募者の特性を総合的に評価し、医療現場で活躍できる人材を選ぶための重要な手段です。
このプロセスを通じて、採用側と応募者双方にとっての「適材適所」が実現されます。

  

3.代表的な適性検査の種類  

医療業界で適性検査が実施される場合、使用されるテストにはいくつかの種類があります。
ここでは、代表的な適性検査である「SPI」「Y-G性格検査」「クレペリン検査」についてご紹介します。それぞれの特徴を理解することで、より適切な準備が可能になります。

① SPI(Synthetic Personality Inventory)  

SPI(Synthetic Personality Inventory)は、日本で最も広く使用されている適性検査で、性格検査と能力検査の2つの要素で構成されています。
主に企業の採用試験で利用されていますが、大規模な病院や公立病院でも採用されるケースがあります。

試験内容

  • 能力検査
    能力検査は、応募者の知的能力を測る検査で、「言語分野」と「非言語分野」の2種類に分かれています。

    • 言語分野(国語)
      言葉の意味や文章の読解力を測定します。
      例: 文中の空欄に適切な言葉を入れる問題や、長文読解の要旨を問う問題。

    • 非言語分野(数学・算数)
      論理的思考力や計算力を測定します。
      例: 損益算や割合計算、数列やグラフの読み取り問題。

  • 性格検査
    質問形式で、応募者の価値観や行動特性を測定します。主に以下のポイントが評価されます。

    • 対人関係

    • 仕事への取り組み方

    • ストレス耐性

    • 自己管理能力

特徴

  • 試験時間は能力検査が約35分、性格検査が約30分の合計約1時間。

  • Web形式での受験が一般的で、自宅や試験会場のパソコンを使用します。一部の企業ではペーパーテスト形式やインハウスCBT(企業内でのパソコン受検)が採用されることもあります。

  • SPIの結果は、採用選考の指標だけでなく、入社後の配属判断や教育方針の決定にも利用されます。

対策ポイント

SPIは対策本や模擬試験が多く提供されてるため事前対策が可能です。

  1. 能力検査の対策:
    SPI専用の対策本や模擬試験を活用し、問題形式に慣れることが重要です。特に、計算力や読解力のスピード向上を意識して練習を行いましょう。

  2. 性格検査の注意点:
    性格検査では、応募者の価値観や行動傾向が測定されます。偽りの回答をすると一貫性が欠けた回答とみなされ、評価が下がる可能性があるため、正直に回答することが大切です。

  3. 時間配分:
    問題数が多いため、限られた時間内で効率よく解答する練習をしておくと良いでしょう。

② Y-G性格検査 

Y-G性格検査(矢田部-ギルフォード性格検査)は、応募者の性格特性を12の項目に分類して測定するテストです。性格面を重点的に分析するため、面接や配属先決定の参考として利用されます。

試験内容

  • 全120問の質問に「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3つの選択肢で回答します。

  • 質問例: 「小さなことでもなかなか決断できない。」など。

  • 回答時間は約30分。

特徴

  • 性格の12の尺度で分析:
    「外向性」「協調性」「感情の安定性」「責任感」など、応募者の性格を構成する12の項目を測定します。

  • 結果の活用方法:
    測定結果は、応募者の適性や強みを把握し、採用判断や配属先の決定に活用されます。

  • 5つのタイプに分類:
    測定結果に基づき、応募者の性格傾向を以下の5つのタイプに分類します。

A型: 調和性が高く、バランスの取れたタイプ。
B型: 活動的で感受性が強いが、協調性に課題があるタイプ。
C型: 温和で協調的だが、恥ずかしがり屋な一面を持つタイプ。
D型: 明るく活発で柔軟性があるタイプ。
E型: 繊細で集中力が高いが、心配性なタイプ。

注意点
Y-G性格検査は性格を測定するテストのため、事前対策を行う必要はありません。ただし、以下の点に注意するとよいでしょう

  • 正直に回答する:
    質問に対して嘘や偽りの回答をすると、一貫性のない結果が出てしまい、評価が下がる可能性があります。

  • 直感的に答える:
    深く考えず、自分の普段の行動や考え方に基づいて直感的に答えるのがポイントです。

③クレペリン検査  

クレペリン検査は、応募者の処理能力、集中力、そして性格や行動特性を測定する適性検査です。医療業界で利用されるほか、一般企業の採用試験でも広く導入されています。

試験内容

  • 隣り合う1桁の数字を足し算し、その下1桁を記入する作業を繰り返します。

  • 前半15分、5分の休憩を挟み、後半15分の計30分間行います。

  • 計算の正確さ、解答のペース、集中力、そして作業量の安定性を測定します。

特徴

  • 処理能力の評価: 数字の足し算という単純作業を通じて、正確さとスピードを測定。

  • 性格特性の分析:

    • 発動性: 物事への積極的な取り組み姿勢を評価。

    • 可変性: 状況に応じた柔軟性や気分の安定度を確認。

    • 亢進性: 行動の勢いや、無理をしすぎる傾向をチェック。

  • ストレス耐性の確認: 作業中のパフォーマンスの変動や集中力の持続性から、ストレス環境での対応力を評価。

医療現場では、患者対応や長時間の業務において必要な安定性や持続力を確認するため、この検査が特に役立ちます。

注意点

  • 全問を解く必要はない:
    1分間にすべての数字を計算するのは不可能に近いため、正確さを意識しながらペースを安定させることが大切です。

  • 消しゴムの使用は禁止:
    試験会場への持ち込みも認められていません。誤った数字を記入してしまった場合は、×印や斜線で訂正するようにします。

  • 体調を整える:
    短時間で集中力を求められるため、試験当日は十分な睡眠と適度なリラックスが必要です。

  • 試験形式に慣れる:
    模擬試験を活用して、解答ペースや形式に慣れておくと本番での焦りを軽減できます。

 

4.採用にどの程度影響するのか? 

適性検査の結果が採用にどれほど影響を与えるのかは、多くの方が気になるポイントでしょう。
適性検査は面接や書類選考と並ぶ重要な要素の一つですが、それ単体で合否が決まることはほとんどありません。主に、面接や他の選考結果を補完するために活用されます。

性格検査では応募者の協調性や倫理観、ストレス耐性が評価されますが、極端に不適合な結果であれば、医療現場や介護施設での適応が難しいと判断される場合があります。
一方、検査結果が面接や志望動機と一致していれば、採用担当者に好印象を与える材料となります。

また、適性検査の結果は採用後の配属にも影響します。協調性が高いと判断された場合は連携が求められる業務に、慎重さや注意力が評価された場合は正確性や配慮が重視される業務に配属されることがあります。
このように、適性検査は配属先を決定する際にも役立てられます。

ただし、適性検査の重要度は施設によって異なるため、過度に心配する必要はありません。
面接や書類選考と総合的に評価されるプロセスの一部として捉え、試験を通じて自分の特性を客観的に知るきっかけとしましょう。自然体で臨むことが成功への鍵となります。

 

5.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用 

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

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6.まとめ  

医療業界の採用試験では、適性検査が重要な役割を果たしますが、その目的や内容、評価基準を正しく理解することで、試験への不安を軽減できます。
適性検査は、応募者の性格や能力を測定するだけでなく、採用後のミスマッチを防ぎ、医療現場に適した人材を選ぶための重要な手段です。
特に、SPIやY-G性格検査、クレペリン検査といった代表的な試験の特徴を理解し、準備を進めることで、試験当日に自信を持って臨むことができるでしょう。

適性検査は、あなたの適性や強みを見つめ直す良い機会でもあります。焦らず自然体で臨むことが成功の鍵です。
本記事を参考に、準備を整え、採用試験を突破してください。新しい一歩を応援しています!

 

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