転職回数の多さは不利?介護業界での転職の不安を自信に変える働き方
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「転職回数が多いと、次の転職活動で不利になるのではないか…」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
特に介護業界では、転職経験が比較的多いという印象があるものの、自分の経歴がどう評価されるのか気になることもありますよね。
この記事では、介護業界における転職の実態や、転職回数がどのように捉えられるのか、さらに次の転職に向けて前向きに準備するためのアドバイスをご紹介します。
転職回数を自信に変えるためのヒントを見つけていただければ幸いです。
目次
1.介護業界の転職事情を知ろう
①介護業界では多様な背景を持つ人が活躍中
介護業界には、多様な経歴を持つ人々が集まっています。その理由は、他業種からの転職者を積極的に受け入れる柔軟な環境や、業界内でキャリアチェンジがしやすい状況にあります。
公益財団法人介護労働安定センターが行った令和5年度介護労働実態調査によると、介護保険サービス事業所で働く労働者の83.5%が前職を持っていることが分ります。
参照:https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023_jittai_chousa_roudousya_honpen.pdf

また、「これまでに勤務したことがある職場の仕事内容」に関するデータでは、「介護・福祉・医療関係以外の仕事」を経験した人が61.7%で最も多く、次いで「介護関係の仕事」を経験した人が49.1%を占めています。

直前職の仕事内容に関する調査結果では、「介護関係の仕事」が41.7%で最も多く、「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が30.7%と続きます。
「医療関係の仕事」(11.6%)や「介護以外の福祉関係の仕事」(3.5%)を直前に経験した人も一定数おり、介護業界が幅広いバックグラウンドを持つ人材を受け入れていることが分かります。

これらのデータは、介護保険サービス事業所で働く労働者が多様な経歴を持ち、他業種からの転職者が活躍している一方で、業界内でも転職を通じてキャリア形成を進めている人が多いことを示しています。
②転職は一般的なキャリア形成の一部
介護業界では、転職回数が多いことを過度に心配する必要はありません。転職はキャリアをリセットするものではなく、新しい環境で成長するためのステップとして捉えられるからです。
たとえば、直前職の勤続年数を見てみると、「5年以上」働いていた人が44.4%で最も多く、次いで「3年程度」(14.0%)や「2年程度」(13.2%)という結果が出ています。
また、現在勤務している事業所での勤務年数は、平均勤続年数は8.0年となっています。
この数字からも、介護業界では一定期間経験を積んだ後、新しい環境に移ることでキャリアを進めている人が多いことが分かります。

また、介護業界は働き方や業務内容が多様であるため、自分に合った職場や役割を見つけるために転職を重ねるケースも少なくありません。
たとえば、夜勤の負担を減らしたいと考えて日勤中心の職場に移る人や、訪問介護から施設介護へと転職することで新しいスキルを学びたいと考える人がいます。
このように、転職は介護業界でのキャリア形成において一般的な選択肢となっているのです。
2.介護業界で転職回数が多くても大丈夫な理由
①人手不足が続く業界背景
厚生労働省のデータによると、令和5年の全職種平均の有効求人倍率は1.31倍ですが、介護職の求人倍率はそれを大きく上回る状況が続いています。
たとえば、訪問介護職の令和5年度有効求人倍率は14.14倍と非常に高く、施設介護員でも3.24倍という数字が示されています。

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001303387.pdf
特に都市部では、介護職関連の有効求人倍率が5倍以上に達する地域もあります。
一方、地方においても全都道府県で2倍以上の求人倍率が記録されており、地域を問わず介護職への需要が非常に高いことが分かります。
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/21/backdata/01-01-02-40.html
このような背景から、介護業界は未経験者を歓迎する求人も多いのが特徴です。一方で、転職回数が多い方にとっても、過去の経験やスキルを評価してくれる職場が多いのも介護業界の魅力です。
たとえ短期間での転職が繰り返されていたとしても、その中で得たスキルや知識が、新しい職場で活かせる場面は多々あります。
②柔軟なキャリア形成が可能な業界
介護業界は、他業界と比較して転職を前向きに捉える風潮があるのも特徴です。転職が、単なる職場変更ではなく、キャリアアップや働き方の見直しにつながる選択肢とされることが多いのです。
たとえば、夜勤のある職場から日勤中心の施設に移ることで生活リズムを整えたり、訪問介護から施設介護に転職することで新しいスキルを習得する人もいます。また、介護福祉士やケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取得し、役職や管理職にステップアップする例も少なくありません。
さらに、介護業界には訪問介護、施設介護、特別養護老人ホームなど、さまざまな業務形態や職場環境が存在します。そのため、自分のライフステージや希望する働き方に合わせて職場を選ぶことが可能です。
たとえば、育児中の方が夜勤のない環境を求めて職場を変える、あるいは介護スキルを活かして地域に密着した働き方を選ぶといったことが柔軟に行えるのも、この業界の魅力です。
3.転職回数が気になる人へ
転職回数が多いことで不安を感じる方は多いかもしれません。しかし、適切な準備をすることで、その不安を和らげることができます。
以下では、次の転職活動を成功に導くためのポイントをご紹介します。
①自己分析を徹底する
まず、過去の転職理由を整理し、前向きな理由や成果を明確にしましょう。たとえば、以下のような理由が挙げられます:
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「家庭と仕事を両立するため」
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「新しいスキルを学ぶため」
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「自分のキャリアの可能性を広げたい」
これらのポジティブな理由を明確にしておけば、面接時に自信を持って説明できます。また、これまでの職場で得た成果や学びを具体的なエピソードとして準備しておくと、説得力が増します。「どんな状況で」「どのように工夫し」「何を達成したか」を整理して伝えると効果的です。
②資格やスキルを活用する
介護業界では、資格が大きな強みになります。介護福祉士やケアマネージャー(介護支援専門員)などの資格を持つと、応募先での評価が高まります。さらに、現在の資格を基に上位資格(たとえば認定介護福祉士や社会福祉士)を目指すことで、さらなるキャリアアップの可能性が広がります。
また、資格がない方でも、転職をきっかけに資格取得を検討してみましょう。未経験者を歓迎する求人も多いため、資格取得をサポートしてくれる職場を選ぶのもひとつの手です。
③職場環境を見極める
次に働く職場が自分に合うかどうかを見極めることも重要です。応募先の職場について事前に情報収集を行い、次のような点を確認してみましょう:
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「職場の人間関係は良好か?」
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「残業や夜勤の頻度はどのくらいか?」
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「スキルアップのための研修制度が整っているか?」
面接時には遠慮せず、これらの質問を積極的に行いましょう。また、可能であれば職場見学をお願いして、実際の雰囲気を体感することをおすすめします。
転職活動での注意点
短期間での転職が多い場合、その理由を一貫性を持って説明することが大切です。たとえば、「家庭の事情により柔軟な働き方を選んできた」や「自分に合った職場を探すため、試行錯誤を繰り返してきた」といった理由を前向きに伝えましょう。
さらに、「これからのキャリアプラン」を具体的に語ることで、面接官に将来性を感じてもらえます。たとえば、「介護福祉士として利用者さんに寄り添うケアを提供したい」や「将来的にはチームを支えるリーダーとして活躍したい」といった目標を明確に示すことが重要です。
4.転職回数を強みに変えるには
転職回数が多いことは、さまざまな施設や職場で得た経験の証とも言えます。それをネガティブに捉えず、自分の強みとして活かすためのポイントを以下にご紹介します。
①複数の職場で得た経験を具体的に伝える
複数の職場で働いた経験は、新しい環境への適応力や、状況に応じたケアの実践力を磨いてきた証拠です。それを面接や履歴書でしっかりとアピールしましょう。
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例「訪問介護では、利用者ごとの生活環境やニーズに応じたケアを実践しました。一方で施設介護では、スタッフ間で協力しながらチームケアを行い、連携力を養いました。」
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例「さまざまな職場で得た経験から、利用者一人ひとりに合わせた柔軟な対応力を身につけました。」
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具体的なエピソードを交えながら、自分が持つスキルや強みが次の職場でどのように活かせるのかを伝えることが大切です。
②転職を「成長の積み重ね」として捉える
転職を重ねた理由を前向きに整理し、それを成長の証としてアピールしましょう。「新しい経験を求めて積極的にキャリアを築いてきた」というメッセージを伝えることで、転職回数を強みに変えることができます。
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例「訪問介護から施設介護へと経験を広げ、利用者に寄り添うスキルを磨きました。」
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例「新しい職場での挑戦を通じて、より良い介護を提供するための知識を増やしてきました。」
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自分のキャリア形成の中で、転職がどのような意義を持ち、自分を成長させたかを伝えることがポイントです。
③これからのキャリアビジョンを具体的に示す
過去の経験を整理するだけでなく、「今後どのように成長し、職場に貢献していきたいか」を具体的に伝えることも大切です。目標が明確であれば、面接官に「将来性がある」と感じてもらいやすくなります。
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例「これまでの経験を活かし、利用者一人ひとりに寄り添ったケアを提供していきたいです。」
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例「将来的には、介護福祉士として現場を支えるリーダー的な役割に挑戦したいです。」
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自分が目指す未来像と、そのためにこれまでの経験をどう活かすかを具体的に語ることで、面接官に「将来性のある人材だ」と好印象を持ってもらえるでしょう。
5.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用
医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。
▼求職者様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/sign-up
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6.まとめ
介護業界では、転職はキャリア形成の一環として捉えられることが多く、転職回数が多いことが必ずしもネガティブに評価されるわけではありません。
大切なのは、過去の経験を整理し、それを具体的なスキルや強みとして次の職場でどう活かすかを明確にすることです。
また、今後のキャリアビジョンを描き、それに向かう意欲を示すことで、前向きな印象を与えることができます。
転職は新たな可能性を広げるチャンスでもあります。自分の経験に自信を持ち、次の一歩を踏み出してください。この記事が、その一助となれば幸いです。