未経験でも大丈夫?40代・50代・60代から始める介護の仕事
いいね

介護の仕事に興味はある。でも体力のこと、経験のこと、人間関係のこと…いろんな心配が頭をよぎりますよね。
でも実は、介護の現場では、人生経験を活かして働く40代以上の人がたくさんおり、60代でスタートして活躍している人もいます!
このコラムでは、年代別の始め方や働き方のパターン、求人の見方や選び方のコツを紹介します。
「気にはなっているけど、なかなか踏み出せない」そんな方が、次の一歩を踏み出すきっかけになりましたら幸いです。
目次
1. はじめるチャンスは、年齢を問わない
介護職は、あらゆる職種の中でも特に人手不足が深刻な分野のひとつです。
令和5年の全職種平均の有効求人倍率が1.31倍だったのに対し、介護分野では「施設介護員」が3.24倍、「訪問介護員」に至っては14.14倍と、他と比べて非常に高い水準となっています。
働いている人の年齢を見ると、介護職員の平均年齢は47.3歳、訪問介護員はさらに高く54.7歳。
どちらも40代・50代以上の職員が多く、「若くないと続けられないのでは?」というイメージとは異なり、現場の主力として働いています。
また、定年後の再就職や営業、事務、接客など異業種からの転職が多いのも介護職の特徴です。
多くの事業所では、初任者研修などの資格取得を支援する制度も用意されていて、働きながらステップアップを目指すこともできます。
2. 【年代別】介護の仕事、どう始める?どう続ける?
40代から介護職を始める場合
40代で介護職にチャレンジする人には、これまでの仕事や家庭とのバランスを見直したいという想いや、親の介護を経験したことがきっかけになるケースが少なくありません。将来に向けて「あと10年、20年働くなら」と、先を見据えた転職として介護の世界に入る人も増えています。
この年代は、これまでの社会経験を活かしながら、新しいことを吸収できる柔軟さも持ち合わせている世代です。資格取得支援を利用して、働きながら資格を取得し、少しずつ仕事の幅を広げていく人も多くいます。
現場によっては自分より年下のスタッフが多いこともあります。そんなときは、自分の年齢や経験を押し出すのではなく、力まずに「今の自分にできること」を丁寧にこなしていくことが、無理なく職場に馴染んでいくためのコツです。
家庭や生活との両立を考えるなら、自分のペースに合った働き方を選ぶことが、長く続けるためのポイントになります。勤務形態は事業所によってさまざまなので、無理のない働き方ができる環境かどうかを見極める視点も大切です。
将来的には、サービス提供責任者やケアマネジャーといった役職へのステップアップも可能です。中長期でキャリアを考えるなら、40代はスタートにちょうどいいタイミングとも言えます。
50代から介護職を始める場合
50代は、子どもの進学や独立、親の介護など、自分の暮らしを取り巻く環境が大きく変化していく時期です。これを機に、働き方を見直したいと考える方も増えてきています。
介護職では、50代以上の職員が一定の割合を占めており、平均勤続年数も他の年代に比べて長めです。若年層よりも「一度始めたら長く働く」傾向があり、事業所側も安定して働いてくれる人材として期待を寄せるケースが多く見られます。
働き始めは、夜勤のない日勤帯や短時間勤務など、自分の体力や生活リズムに合わせたシフトを選ぶ人が多く見られます。特にこの年代は、腰や膝への負担を感じやすくなる時期でもあるため、無理のない働き方を選ぶことが大切です。求人票にある「シフト相談可」「扶養内勤務OK」といった記載も、選ぶ際のひとつの目安になります。
介護の仕事は、これまでの社会経験や人との関わりが自然と活きる場面が多い職種です。たとえば、前職で培った調整力や段取り力、対人スキルは、レクリエーションの運営やご家族への対応など、さまざまな場面で重宝されることもあるでしょう。
他業種では、資格や経験が前提となる求人も多く、「今からのチャレンジは難しい」と感じることもあります。その点、介護職は未経験・無資格からでも始めやすく、「今始めておけば、この先も続けやすい」という気持ちから、一歩踏み出す人が増えています。
60代から介護職を始める場合
60代で介護職を始める人は年々増えており、今では特別なことではなくなってきています。実際、多くの介護事業所で60歳以上の職員が働いており、再雇用制度や定年を設けない事業所も増えています。70代でも現役で働いている方もいるなど、体力に合わせた働き方を選べば、無理なく続けられる環境が整いつつあります。
日勤のみ・週数日・短時間勤務といったスタイルで働く方が多く、訪問介護やデイサービスといった夜勤のない職場を選ぶケースもよく見られます。求人票では「定年なし」「シニア歓迎」などの記載にも注目してみてください。
また、60代ならではの強みも。利用者と年齢が近い分、昔の出来事や話題を共感しながら話せるため、自然と距離が縮まりやすいという声もあります。「あの頃はこうだったよね」といった世代が近いからこそわかる気持ちは、若い世代ではなかなか持ちにくいものです。
一方で、職場には自分より若いスタッフが多い場合もあります。年下の上司や同僚から学ぶ場面も出てくるため、そうした関係性を受け入れながら、協力し合って働く姿勢が大切になります。
最近では、記録の入力や情報共有にタブレットやパソコンを使う職場も増えてきました。最初は戸惑うかもしれませんが、基本的な操作ができれば問題ありません。丁寧に教えてくれる事業所も多いため、苦手意識を持ちすぎずチャレンジしてみてください。
3.介護職をはじめる前に、ちょっとだけ知っておきたいこと
介護職、未経験OK=ラクな仕事、ではない
介護職には「未経験OK」「年齢不問」といった求人が多く、ハードルが低そうに見えるかもしれません。ですが、まず気をつけたいのは、「未経験歓迎=簡単な仕事」ではないということ。介護の仕事は、利用者の生活や命に関わる責任ある仕事です。特に身体介助や入浴・排泄などのケアでは体力を使いますし、慣れないうちは精神的な緊張や気疲れも重なって、思っていた以上に消耗してしまうこともあります。
体力に自信があっても、無理は禁物
「体力の自己評価」は甘くなりがちです。「体力には自信がある」と思っていても、現場は想像以上にハードだった…という声は少なくありません。移乗介助や入浴介助などでは腰や膝に負担がかかります。働き始めてから、慢性的な痛みや違和感に気づく人も多く、年齢を重ねるほど、ちょっとした無理が思わぬケガにつながることもあります。体に不安がある方は、自分の動きや姿勢に注意したり、負担の少ない働き方を意識するとよいでしょう。
前の職場の常識”が通じないことも
介護現場にはマニュアルやルールがしっかり整備されています。「こうした方がいい」と思っても、自己判断で動くと事故につながることもあるため、最初は“教わった通りにやる”意識が大切です。前職の常識を一旦リセットし、チームの一員としての協調性と柔軟性を大切にしていきましょう。
介護現場では、タブレット等の操作が必要になることも
最近では、記録や報告をタブレットやスマートフォンで行う施設も増えており、介護現場でもIT機器の導入が進んでいます(いわゆる「ICT化」)。最初は戸惑っても、少しずつ覚えていけば大丈夫。苦手意識がある場合は、事前に簡単な練習をしておくと安心です。大事なのは、完璧にこなすことではなく、「わからないことを聞ける姿勢」と「少しずつ慣れていく意識」です。
4. 介護職への転職「ここなら続けられそう」を見つけるために
「未経験歓迎」だけで介護の現場を選ばない
「未経験OK」と書かれていても、フォロー体制は職場によってかなり差があります。研修の有無、どのくらいのペースで仕事を覚えるのか、最初に任される業務の内容など確認しておきましょう。
希望条件を明確にしてから探す
夜勤の有無、通勤距離、週何日働けるかなど、自分にとって「譲れない条件」はあらかじめ整理しておきましょう。「なんとなく」で決めてしまうと、「思ったよりキツい」「続けづらい」と感じやすくなります。
介護施設に自分と同じ世代の社員がいるか?もポイント
同世代が働いているかどうか、年齢に応じた働き方ができるかどうかも大切なポイントです。求人票や事業所のサイトで、スタッフの年齢層や「シニア歓迎」「定年後の再雇用あり」といった記載にも注目しましょう。長く働きやすい職場かの目安になります。
職場見学や面談はできるだけ活用
職場の雰囲気や人間関係は、実際に見てみないとわからない部分が多いです。施設の清潔感、スタッフの様子、現場の流れなど求人票ではわからない“雰囲気”を知るためにも、職場見学は積極的に活用しましょう。
複数施設を比較しながら、自分に合った職場を
1社だけで決めず、複数の求人を見比べてみることも大切です。条件だけでなく、無理なく続けられるかどうかも含めて、納得のいく選択をしましょう。
5. 介護職の転職活動はJobSoel(ジョブソエル)の活用がおすすめ
医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。
▼求職者様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/sign-up
▼企業・法人様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/company-sign-up
6. まとめ
介護職は年齢より、「これからどう働くか」のイメージが大切です。
介護の仕事に興味はある。でも、年齢や経験のことを考えると、自分にできるのか不安になる…それは誰でも感じるごく自然な気持ちです。
とはいえ、「もう遅いかも」と思って動けずにいるのはもったいないです。
40代、50代、60代、それぞれに合った始め方がありますし、これまでの経験が仕事に活きる場面もたくさんあるでしょう。
はじめの一歩は不安があって当たり前、今は働き方の選択肢も広がっており無理なく続けられる職場もきっと見つかります!
年齢を気にするより、「これからどう働きたいか」を軸に、ぜひ介護スタッフとして活躍する選択肢も考えてみてください。