介護士のための面接対策:中途採用の方へ

転職ノウハウ
掲載日: 2025.03.20
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介護の仕事に興味を持ち求人に応募したものの、面接でどのような質問をされるのか、どう答えればよいのかと不安を感じる方は少なくありません。

介護職の面接では「これが正解!」という絶対的な答えがないため、臨機応変な対応が求められます。しかし、だからこそ面接の準備をせずにその場の勢いで臨んでしまうと、万が一採用されても長続きしない場合が多いのも事実です。

介護の現場で求められる人材は「即戦力となり、長期的に勤務できる方」。採用側は利用者への支援に時間を費やしたいため、しっかり準備して面接に臨んでいるかどうかを見ています。対策を怠っていると「本気で働きたいのではないのか」と捉えられてしまいかねません。

そこで今回は「介護士のための面接対策」をテーマに解説します。このコラムを参考に、介護の現場で理想の職場を見つけ、納得のいく面接を受けられるよう準備を整えましょう。

 

 

1.面接では何を見られている?

そもそも、なぜ面接を行うのでしょうか?この目的を理解している方は意外と少なく、対策をせずにその場しのぎで臨んでしまうことも多いです。面接の目的は、求職者を「採用後も長期的に活躍できるか」どうかを見極めるためです。

具体的に面接で確認されるポイントとしては以下の3つです。

  • 長期的に働けるか

  • 履歴書や職務経歴書での経験が、介護施設で活かせるか

  • 施設の雰囲気や理念に合った人柄かどうか

介護職の面接では「これが正解!」という明確な回答はありませんが、面接官が求める「長く働けるか」「前職の経験を活かせるか」といった点に、自分の考えをはっきりと伝えられることが重要です。

しっかり準備して臨んだ面接であれば、仮に結果が出なくてもそれはミスマッチと前向きに捉えることができますが、対策不足での不採用は後悔が残ります。しっかりと準備してから臨むようにしましょう。

 

2.面接でよく聞かれること

介護職の面接でよく聞かれる質問と、その対策について紹介します。以下の質問を事前に把握し、自分の言葉で答えられるよう準備しましょう。

  • 自己紹介
    最初に自己紹介を求められることが多いです。ここでは「氏名」「保有資格」「趣味・特技」「意気込み」を1分以内にまとめると良いでしょう。履歴書の内容をそのまま話すのではなく、要点を押さえ、相手に関心を持ってもらえるように構成するのがポイントです。

  • 退職理由
    前職の退職理由もよく聞かれる質問です。ここで前職について否定的な発言をすると「もしここを辞めることになったら同じように悪く言うのではないか」と思われかねません。マイナスの要素を避け、キャリアアップやポジティブな意欲を示すようにしましょう。例えば、「前職では訪問介護が主でしたが、もっと利用者と密に関わる仕事をしたいと思い、入所型施設を志望しました」といった前向きな理由が効果的です。ただし、嘘は避け、本音をプラスに変換することを心がけましょう。

  • なぜ介護の仕事を選んだのか
    介護の仕事に対してどのような思いを持っているのかを伝える場です。過去の経験を踏まえた志望動機や、具体的なエピソードを交えて答えると良いでしょう。「人と向き合う仕事がしたい」という気持ちや、具体的な経験があれば、より説得力が増します。

  • 介護の経験について
    介護の現場での経験を持っている方は、単に「何人の利用者を担当したか」といった実績だけでなく、「そのためにどう工夫をしたか」も含めて伝えることが重要です。例えば、「利用者を介助する中で、個々にかける時間を調整するために特徴をノートにまとめ、効率的なサポートを心がけました」といった、成果を出すために工夫した点を話すと差別化が図れます。このように、実績だけでなく工夫した点を伝えることで、「現場で考えて働ける人材」として面接官に期待感を持ってもらうことができます。

  • 夜勤は可能か
    介護職では夜勤がある施設も多く、対応できるかを確認されます。できる場合はそのまま伝え、難しい場合は明確な理由を添えましょう。安易に「できます」と答えてしまうと、後に自身や職場に負担がかかることもあるため、誠実に回答することが大切です。

  • ストレス解消法
    介護の仕事はストレスが溜まりやすいため、どのようにリフレッシュしているかを聞かれることもあります。冷静な印象を与えられる解消法を話すと良いでしょう。例えば「休日に運動をしてリフレッシュしています」「家族や友人と話をしてリラックスしています」など、落ち着いた印象を与える内容を心がけます。極端な解消法や嘘は避け、実際の方法を話しましょう。

  • 介護の倫理や法令について
    介護の現場で求められる基本的な知識があるかを確認されます。プライバシー保護や虐待防止など、介護に関する法令や倫理観についての理解は重要です。事前に基本的な知識を整理しておくと良いでしょう。

  • 5年後のビジョン
    「5年後のビジョン」は長期的に働いてもらえるか、キャリアパスの目標があるかを確認する質問です。事前に施設のキャリアパスをリサーチし、それに合った回答を心がけましょう。例えば「5年後にはケアリーダーとして現場を支える立場になりたい」といった具体的な目標を挙げると、成長意欲や長期的な関与の意志が伝わります。施設側の想いと自身のキャリアパスとが少しずれる場合もあります。面接官が「弊社では〇年後もみっちり働いてもらいますが、それでも構いませんか」と確認してくることがあります。素直に「はい」と答えれば問題ありませんが、このような質問への答えも考えておくとより良いでしょう。

以上がよく聞かれる質問とその対策です。必ずしもこれが「正解」というわけではありませんが、面接官が質問を通して見ているポイントを理解し、自分の考えや経験を自信を持って伝えることが面接の成功につながります。

  

3.逆質問の対策

介護職の面接でも、面接の終盤で「何か質問はありますか?」と聞かれることがよくあります。ここで何も質問をしないのは、面接官に「職場に関心がない」「準備不足である」といった印象を与えてしまいます。

しかし、いざ質問しようと思っても、「こんな質問をして良いのか?」と迷うことがあるかもしれません。面接官も求職者からの質問に期待していることが多いので、ぜひ積極的に質問しましょう。

質問内容は、自分の意欲や長期的な関与をアピールできるものがおすすめです。

例えば「中途入社された方のキャリアパスについて教えていただけますか?」と尋ねると、「ここで長く働きたい」という姿勢を示すことができます。また、「これから先、新規事業の展開などは考えていらっしゃいますか?」といった質問は、会社の未来に対する関心を示すため、前向きな印象を与えます。

このように、ポジティブな印象を与えられる質問を事前に用意しておくと良いでしょう。

質問例として、他にも「この施設のケア理念や大切にしている価値観について、どのように現場で実践されているか教えていただけますか?」や「現場で特に求められるスキルについて詳しく教えていただけますか?」といった内容も良いでしょう。

自分がその職場で学びたい、成長したいという姿勢を示すことが大切です。

 

4.面接対策で必要なこと 

ここまで、面接中に役立つ質問例や面接官への対応方法を紹介してきましたが、そもそも面接対策としてどのような準備が必要なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、面接に臨むための基本の準備ポイントをお伝えします。

1. 企業研究

まず最も重要なのは、企業研究です。志望する企業や施設についての基本的な情報を調べることは、応募先に対する関心や熱意を示すうえで欠かせません。応募先企業や施設に関する理解が浅いまま面接に臨むと、「条件が良さそうだから来たのでは?」と思われてしまう可能性があるため、応募する以上、企業研究は必須です。

たとえば、応募先の公式ウェブサイトを確認し、「理念」「特色」「業務内容」などを理解しておきましょう。施設のケア方針や介護サービスに対する理念が自分の目指すものと一致しているかを確認し、それを面接で伝えられるようにしておくと、面接官にもポジティブな印象を与えられます。

2. 履歴書・職務経歴書から質問を予測する

次に、ご自身が提出した履歴書や職務経歴書をもとに、どのような質問が来るか予測しておくことが大切です。特に中途採用の場合、これまでの仕事でどのような実績を上げてきたか、職務経歴書の内容に基づいて確認されることが多いです。

そのため、自分の職務経歴を整理し、前職での成果やそのために工夫した点を説明できるようにしておきましょう。例えば、「●●の業務では、どのように効率化を図ったか」や「多くの利用者をどのようにサポートしたか」といったポイントを具体的に伝えることで、面接官に対して自分の働き方や価値観を伝えるチャンスになります。事前に、面接官がどの部分に注目するかを考え、面接の場で自信を持って話せるよう準備しておきましょう。

3. 具体的なエピソードを準備する

また、面接では具体的なエピソードを交えながら話すことが効果的です。抽象的な説明に終わらないように、「●●の状況でどのように対応したか」など、実際の経験に基づいた説明ができるように準備しておきましょう。例えば、困難な状況を乗り越えたエピソードや、利用者やそのご家族からの感謝の言葉などを具体的に話せると、信頼感が増します。

4. 自分の言葉で話すこと

最後に、面接での回答は、必ず自分の言葉で話すよう心がけましょう。準備した内容や予測した質問への回答も、丸暗記した言葉をそのまま伝えるのではなく、自分の言葉で説明できるように意識することが大切です。採用担当者は、用意された回答よりも、応募者の本音や人柄を感じる言葉に信頼を寄せます。

 

5.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用 

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

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6.まとめ  

介護職の面接では、事前の対策が大きな鍵を握っています。面接官は、応募者の長期的な働き方や施設での適応力を確認し、即戦力かどうかを見極めています。

今回のコラムで紹介した質問の傾向や回答の工夫をもとに、しっかりと準備を整えて臨むことで、面接官にあなたの意欲や適応力が伝わりやすくなるでしょう。

面接には絶対的な「正解」はありません。あくまで参考にしつつも、自分の言葉と意欲で臨みましょう。

 

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