准看護師とは?仕事内容・資格の取り方・看護師との違い

看護の仕事
掲載日: 2025.06.09
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医療や介護の現場で、医師・歯科医師・看護師の指示のもとで業務を行う看護職の一つ【准看護師】。
今回は知っているようで知らない?、准看護師と看護師の違いなどご紹介いたします。
准看護師の仕事内容や活躍の場など、興味がある方ぜひ参考にしてみてください。 

 

 

1. 准看護師とは?  

准看護師とは、医療や介護の現場で、医師・歯科医師・看護師の指示のもとで業務を行う看護職の一つです。
「准看護師」と「看護師」は似た名称ではありますが、異なる資格です。両者の違いは、免許の発行主体や業務遂行時の判断権限に関して、法令上明確に区別されています。
以下は、保健師助産師看護師法における該当条文です。

■法令に基づく資格の定義(保健師助産師看護師法より)

【第5条 看護師】
看護師は、厚生労働大臣の免許を受けて、
傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者とする。

【第6条 准看護師】

准看護師は、都道府県知事の免許を受けて、
医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定する行為を行うことを業とする者とする。

このように、業務内容そのもの(療養上の世話・診療の補助)は共通していますが、准看護師は必ず指示を受けて業務を行うことが法律で定められており、自らの判断で業務を行うことはできません。
とはいえ、准看護師は実際の医療・介護の現場において、患者さまと直接関わりながらケアを担っており、看護師と同様の実務に幅広く携わっている職種です。
特に人手不足が深刻な地域医療や福祉の分野では、今なお必要とされ続けています。

 

2. 准看護師の仕事内容  

准看護師は、医師や看護師の指示を受けて、診療の補助や療養上の世話を行います。業務の幅は広く、実務レベルでは看護師と共通する内容も多くあります。

主な業務内容は以下の通りです。

  • バイタルサインの測定(体温・脈拍・血圧など)
  • 注射、点滴、採血の準備や補助
  • 食事や排泄、入浴など日常生活の介助
  • 診療や検査の補助、処置のサポート
  • カルテの記録、報告業務

これらの業務を行う際、准看護師は医師や看護師の指示を受けることが前提であり、准看護師は自身の判断で看護計画を立案したり、他のスタッフに指示を出すといった業務を担いません。この点が、看護師との重要な違いとして位置づけられています。

なお、勤務先によって担当業務には多少の違いがあるものの、どの現場でも患者さまに寄り添い、医療・福祉を支える役割を担っている点に変わりはありません。

 

3. 准看護師資格の取得方法  

准看護師は、ルートによっては、中学校卒業後、最短2年で取得可能な医療系の免許です。看護師免許に比べて学習期間が短く、学費も比較的抑えられることから、できるだけ早く医療の現場で働きたいと考える人に多く選ばれています。
また、仕事や育児と並行しながら資格取得を目指す人も少なくありません。特に定時制の准看護師養成所では、働きながら通うことを前提とした課程設計が行われており、生活と学業の両立を求められる人にも対応しています。

養成所への入学と受験資格

准看護師試験を受けるためには、まず「准看護師養成所」または「衛生看護科のある高校」を修了していることが必要です。
出願ルートは、最終学歴によって異なります。

准看護師養成所について

准看護師養成所には、「全日制」と「半日制(定時制)」の2つの課程があります。いずれも修業年限は2年間で、2年目には病院などでの実習が行われます。

  • 全日制課程

朝から夕方まで授業が行われます。週3日〜5日で通うスタイルが一般的で、学校によって日数は異なります。授業がない日や放課後は、医療機関等でのアルバイトや自主学習にあてることも可能です。

  • 半日制課程(定時制)

午後や夜間に授業が行われ、週5日通うケースが多く見られます。平日の午前中を仕事や家事、育児に充てながら学ぶ人もいます。

奨学金制度の利用について

准看護師を目指す際には、学費や生活費の負担を軽減するための奨学金制度を利用できる場合があります。

  • 都道府県や自治体の奨学金

月額の授業料相当の支給があり、指定病院での一定期間の勤務により返済が免除される制度もあります。

  • 病院付属の学校による奨学金

卒業後の勤務を条件とした支援制度のほか、返済免除の仕組みを設けている学校もあります。

  • 日本学生支援機構の奨学金

准看護師養成所は専修学校として申請されます。返還義務がありますが、少額からの申請も可能です。

一般社団法人日本准看護師連絡協議会:https://www.junkankyo.com/

准看護師試験

養成所を修了すると、各都道府県で実施される准看護師試験の受験資格が得られます。 試験は原則として年に1回(2月上旬〜中旬)行われ、都道府県ごとに実施日が異なるため、同年に複数の県で受験することも可能です。この試験に合格すると、准看護師資格が各都道府県知事から交付されます。

 

4. 准看護師の就職先  

厚生労働省の調査によると、令和4年末時点で就業している准看護師の勤務先は、病院が最も多く全体の34.3%を占め、次いで診療所が32.8%、介護保険施設が16.9%となっています。

看護師と比較すると、准看護師は診療所や介護施設での勤務割合が高く、訪問看護ステーションや高度急性期の病院での勤務はやや少ない傾向があります。

これは、診療所や介護施設では比較的定型的な業務が中心であり、業務の遂行において判断の裁量が求められる場面が限られていることが影響していると考えられます。

厚生労働省:令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/22/dl/kekka1.pdf

 

5. 准看護師として働きながら看護師を目指す  

准看護師資格を取得した後、さらに専門的な知識と技術を身につけて看護師を目指すことができます。看護師国家試験の受験資格を得るには、一定の教育課程を修了する必要があります。最終学歴や准看護師としての実務経験年数により、進学可能なルートが異なります。

看護師免許取得までの主なルート

  • 看護師学校養成所 2年課程(全日制)

 教育年限:2年間
 受験要件:准看護師資格(中学校卒業者は実務経験3年以上)

  • 看護師学校養成所 2年課程(定時制)

 教育年限:3年間
 受験要件:准看護師資格(中学校卒業者は実務経験3年以上)

  • 看護師学校養成所 2年課程(通信制)

 教育年限:2年間
 受験要件:准看護師資格 + 実務経験7年以上

※実務経験として認められるのは、准看護師としての就業期間であり、勤務形態(常勤・非常勤・パート)や勤務先の種類(病院・診療所・介護施設など)は問いません。

  • 看護短期大学

教育年限:原則3年間(准看護師の既修得単位や実務経験が認定されることで、2年での卒業が可能となる場合があります)
看護の専門科目に加え、一般教養科目も含まれるカリキュラムです。看護系短期大学は全国的に減少傾向にあります。

  • 看護大学(4年課程)

教育年限:4年間
看護学を体系的に学ぶことができます。保健師や助産師の受験資格を得られるカリキュラムを採用している大学もあります。
また、大学によっては社会人入試や編入制度を設けており、准看護師経験者に向けた特例措置を実施しているケースもあります。

これらの課程を修了し、看護師国家試験に合格することで、看護師免許を取得できます。

看護師資格を取得するメリット

看護師資格を取得することで、准看護師にはない以下のような機会や待遇が得られます。

  • 業務の幅が広がる

医師や看護師の指示を受けずに、自らの判断で看護業務を遂行できるようになります。看護計画の立案や後輩指導も担える立場になります。

  • キャリアの選択肢が広がる

保健師・助産師・専門看護師・認定看護師など、さらなる専門資格の取得を目指すことが可能です。

  • 管理職への昇進が可能になる

リーダーや主任などのポジションに就き、組織運営に関わる道も開かれます。

  • 待遇の向上

厚生労働省の統計によれば、看護師と准看護師の間には平均年収で約100万円の差があります。資格取得により、長期的に安定した収入を得られる可能性が高まります。

 

6.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用  

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

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7.まとめ  

准看護師は、看護師と同様で実務に幅広く携わっている、医療・介護の現場において欠かせない職種です。
看護師免許に比べて学習期間が短く、学費も比較的抑えられることから、できるだけ早く医療の現場で働きたいと考える人にオススメです。
仕事や育児と並行しながら資格取得を目指すこともできるので、興味を持った方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

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