看護助手とは?仕事内容・資格・給与・キャリアについて

看護の仕事
掲載日: 2025.06.02
0

いいね

 

 

病院やクリニックなどの医療機関で看護師のサポートを行う職種【看護助手】。
今回は知っているようで知らない?、看護助手の仕事内容や活躍の場などご紹介いたします。
資格がなくても病院やクリックといった医療機関で活躍できる職種なので、興味がある方ぜひ参考にしてみてください。 

 

 

1. 看護助手とは?  

看護助手とは、病院やクリニックなどの医療機関で看護師のサポートを行う職種です。看護チームの一員として、看護師などの指示の下に、看護の専門的判断を要しない看護補助業務を行うことが特徴です。資格がなくても働けますが、採血や注射などの医療行為はできません。

日本では高齢化が進み、医療の現場では人手が求められており、看護助手の需要は今後も高まると予測されています。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag(じょぶたぐ)」によると、令和5年度の看護助手の有効求人倍率は4.13倍と、全体平均(1.31倍)を大きく上回っています。

看護助手は「看護補助者」「ナースエイド」「看護アシスタント」とも呼ばれ、主に看護師のサポート、患者さまのケア、病室の環境整備、看護用品や消耗品の整理などを行います。

職業情報提供サイト「job tag(じょぶたぐ)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/246

 

2. 看護助手の仕事内容  

看護助手の業務は、看護師の補助や患者さまのケア、病院内の環境整備が主な内容です。配属先や診療科によって業務内容が異なります。医療行為は行えませんが、診療やケアが円滑に進むようサポートします。

看護師の補助業務

  • 医療器具の準備・洗浄
  • 検査室・診察室への患者さまの案内
  • カルテ準備・書類整理

患者さまの介助

  • 食事介助、配膳・下膳
  • トイレの付き添い、排泄介助、おむつ交換
  • 車いすへの移動、ベッド移乗、入浴介助、清拭
  • 着替えのサポート
  • 検査室・リハビリ室への移送・付き添い

病院内の環境整備

  • シーツ交換、ベッドメイキング
  • 浴室の準備・清掃
  • 病院内の清掃、ゴミ回収
  • 備品の補充

看護助手の業務は、勤務先によって異なります。病棟では入院患者の食事や排泄、入浴の介助を行い、移動の補助や環境整備も担当します。一方、外来では患者さまが処置を受けるための環境整備や物品の準備、診察室や検査室への誘導が主な業務です。

手術室や内視鏡室、中央材料室では医療器具の洗浄・滅菌、手術室や検査室の清掃、備品の管理を行うため、患者さまと接する機会は少なく、器具の管理や準備が中心となります。また、小規模なクリニックでは受付や事務を兼任するケースもあります。

 

3. 看護助手の就職先と勤務形態  

看護助手の主な勤務先は、病院やクリニックなどの医療機関です。総合病院や大学病院では、診療科が多いため配属先によって業務内容が異なります。個人病院やクリニックでは、外来患者の対応が中心となる場合が多いです。また、看護助手として、病院やクリニック以外に介護施設や訪問看護ステーションで働くこともあります。

勤務形態は職場によって異なります。病院勤務では交代制が一般的で、二交代制(日勤・夜勤)、三交代制(日勤・準夜勤・深夜勤)、シフト制(早出・日勤・遅出・準夜勤・夜勤・深夜勤など)があります。夜勤や土日勤務が必要な職場が多いですが、外来やクリニックでは日勤のみ・平日のみの勤務が可能な場合もあります。

 

4. 看護助手の資格  

看護助手は資格がなくても働くことができる職種ですが、資格を取得することで業務に必要な知識や技能を身につけることができます。また、職場によっては資格を持っていることで給与アップやキャリアアップの可能性もあります。

業務に役立つ資格

看護助手には国家資格はありませんが、以下の資格を取得することで業務の理解を深めたり、専門的な知識を学ぶことができます。また、就職や転職の際に知識やスキルを証明する手段となり、採用時の評価につながることがあります。

・看護助手認定実務者試験

全国医療福祉教育協会が認定する民間資格で、医療施設において即戦力として活躍するための知識や技能を客観的に評価する試験です。2020年度に「看護助手実務能力認定試験」から「看護助手認定実務者試験」へ名称変更されました。
https://iryou-shikaku.jp/exam/nurse.php

・メディカルケアワーカー検定試験

特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会が運営する資格試験で、介護補助や福祉介護業務に従事する看護助手に求められるスキルを証明します。1級と2級があり、2級に合格すると1級へステップアップが可能です。
https://www.medin.gr.jp/exam_sche/exam_med_care_work.html

・介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)

介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識や技術を習得するための研修制度です。介護施設や訪問介護などで働く際に役立つ資格ですが、看護助手として働く際にも、食事介助や排泄介助、移乗介助などの業務に活かすことができます。

 

5. 看護助手の給与について  

令和5年 賃金構造基本統計調査によると、看護助手の給与は以下の通りです。

  • 年収:318万3,600円

  • 月給:22万2,500円

  • 賞与(年間):51万3,600円

  • 初任給:18万1,700円

  • 短時間労働者(パート・アルバイト)の平均時給:1,386円

一方、全産業の平均年収は460万円であり、看護助手の給与はこれより低い水準です。これは、看護助手が専門資格を必要としない職種であることや、医療行為を行わず補助的な業務が中心であることが影響していると考えられます。

令和5年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

処遇改善による賃金引上げ

看護助手の給与は近年、少しずつ増加傾向にあり、2024年には処遇改善事業や診療報酬改定が実施されました。これにより、給与の引き上げが進められ、今後もさらなる改善が期待されています。

2024年2月から5月にかけて実施された「看護助手処遇改善事業」では、対象施設に看護助手1人あたり月額6,000円の補助が支給されました。

また、2024年6月の診療報酬改定では、「ベースアップ評価料」が新設され、基本給や毎月支給される手当の引き上げが促進されています。これは一時的な支給ではなく、給与に継続的に反映されるもので、看護助手を含む医療従事者全体の収入向上につながる施策とされています。

看護助手処遇改善事業
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000095525_00017.html

ベースアップ評価料等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html

 

6. 転職やキャリアアップのポイント  

看護助手は資格がなくても働ける職種ですが、働く環境を変えたり、新たなスキルを身につけることで、キャリアを発展させることができます。夜勤を増やして収入を上げる、看護師を目指す、介護職に転職するなど、さまざまな道があります。

処遇改善による賃金引上げ

看護助手として働く中で、4. 看護助手の資格でも触れたように、介護職員初任者研修などの資格を取得すると、介助業務に関する知識が深まります。

准看護師・看護師へのステップアップ

看護助手の経験を積んだ後、看護師資格を取得してキャリアアップする人もいます。看護師になると、医療行為が可能になり、より専門的な業務に携わることができます。 看護学校に通う際、病院での勤務経験が役立つ場合もあり、奨学金制度を活用して資格取得を目指すこともできます。

介護職へのキャリアチェンジ

看護助手としての経験を活かし、介護施設などで介護職として働くこともできます。 介護職に転職する際、特別な資格は不要ですが、介護福祉士などの資格を取得することで、より専門性の高い業務を任されるようになることがあります。

夜勤やシフト勤務の選択による収入アップ

看護助手の給与は、夜勤の有無によって大きく変わります。 夜勤を担当すると手当が加算されるため、収入を増やすことができます。また、シフト勤務では早出や遅出などの勤務形態があり、手当がつく場合もあるため、働き方を調整することで収入アップが可能です。

 

7.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用  

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

▼求職者様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/sign-up
▼企業・法人様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/company-sign-up

 

8.まとめ 

看護チームの一員として医療の現場で活躍ができる看護助手という職種。
資格や経験はなかったが医療福祉の現場で人の役に立ちたい、そんな思いがある方にはオススメの職種です。
また、資格を取得することで業務に必要な知識や技能を身につけることができ、キャリアアップにも繋がりますよ。
興味が湧いた方は、ぜひジョブソエルで看護助手の求人を探してみてください。

 

 

友だち追加

関連コラム