その職場、本当に大丈夫?求人票ではわからない「働きやすさ」をえるぼし認定でチェック
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はじめに:
そんなときに、職場選びの参考として使えるのが「えるぼし認定」です。
これは、働きやすさに関する取り組みを国が評価している制度で、転職者にとって安心材料のひとつになります。
この記事では、えるぼし認定の基本から、職場選びでどのように活用できるのかまでを順番に整理していきます。
目次
- 1. 転職で気になる『働きやすさ』、どう見ればいい?
- 2.「えるぼし認定」とは?
- 3. 認定レベル(★1〜★3)と最高位「プラチナえるぼし」
- 4. 働きやすさを映す「5つの評価基準」
- ① 採用 ― 公平な入社機会があるか
- ② 継続就業 ― キャリアを中断しなくて済む環境か
- ③ 労働時間等の働き方 ― 過重労働を避けられる環境か
- ④ 管理職比率 ― 昇進の機会が開かれているか
- ⑤ 多様なキャリアコース ― 生活が変わっても働き続けられるか
- 5. 認定企業の探し方:職場情報サイト「しょくばらぼ」
- 6. 転職活動での「えるぼし認定」の活かし方
- ① 応募先を考えるときの “目安” に使う
- ② 企業研究を深める “ヒント” として使う
- ③ 面接での逆質問に活用する
- 7. まとめ
1. 転職で気になる『働きやすさ』、どう見ればいい?
転職活動をしていると、どうしても給与や休日などの条件に目が向きがちです。
一方で、
- 長く続けられる環境か
- 生活とのバランスを取りやすいか
- 子育てや介護と両立しやすいか
といった点も、働くうえで気になるところではないでしょうか。
ただ、この“働きやすさ”は数字だけではつかみきれない部分も多く、求人票やホームページだけでは見えてこない部分も少なくありません。そのため、入職後に「想像していた働き方と違った…」と感じるミスマッチが起きることもあります。
そこで、ひとつの判断材料として参考にできるのが「えるぼし認定」です。
女性が力を発揮しやすい環境づくりに取り組んでいる企業・法人に対して、厚生労働大臣が認定を行う仕組みで、働きやすさの一端を客観的に知る手がかりとなります。
2.「えるぼし認定」とは?
えるぼし認定は、「女性活躍推進法」に基づき、女性の採用・継続就業・働き方・キャリアアップなどが一定の基準を満たしている企業や法人を、厚生労働大臣が認定する制度です。
女性を軸にした制度ではありますが、そこで公表されているデータや取り組みの内容は、性別にかかわらず「働きやすさ」を考えるときの参考になります。
企業側から見ると、
- えるぼしマークをパンフレットや求人に掲載できる
- 「働きやすさ」に力を入れていることを対外的に示せる
といった面があり、イメージアップにもつながる制度です。
転職者の立場で見ると、
「少なくとも、国の基準に沿って環境づくりを進めている職場なんだな」
という一つの目安になります。
認定を受けているのは大企業に限らず、地域の病院や介護施設など、規模の大小に関わらず幅広い職場が対象となっています。
3. 認定レベル(★1〜★3)と最高位「プラチナえるぼし」
えるぼし認定には、取り組み状況に応じて3つの段階があります。
評価の対象になる5つの項目のうち、いくつの基準を満たしているかで星の数が決まります。
- ★1(1段階目):5つのうち 1〜2項目を満たす
- ★2(2段階目):5つのうち 3〜4項目を満たす
- ★3(3段階目):5つすべての項目を満たす
★1・★2では、まだ基準に届いていない項目についても、
関連する取り組みを行い、少なくとも2年以上続けて実績が改善していること
が条件になっています。
つまり、★が少ないからといって「何もしていない」わけではなく、
課題を把握し、着実に改善に取り組んでいる最中の職場
と捉えることができます。
そして、その上位に位置づけられているのが「プラチナえるぼし認定」です。
これは、えるぼし認定を受けた企業・法人の中でも、さらに厳しい基準を満たしたところだけが取得できます。
たとえば、以下のような条件が求められます。
- 5つの評価項目すべてを、より高い水準でクリアしている
- 自社の行動計画で掲げた目標を実際に達成している
- 「女性の活躍推進企業データベース」で、8項目以上の情報を公開している
- 「男女雇用機会均等推進者」など、社内の推進役がきちんと置かれている
こうした要件の厳しさから、令和6年3月末時点では、えるぼし認定2,716社に対し、プラチナえるぼし認定は56社と、取得している職場はまだ多くありません。それだけ、ハードルの高い認定だといえます。
さらに、令和8年4月以降は、プラチナえるぼし認定の要件として、
- 求職者などに対するセクシュアルハラスメント防止に関する措置の内容を、外部に公表していること
が新たに加わる予定です。
今後は、働きやすさだけでなく、ハラスメント防止への取り組みや情報公開の姿勢も含めて、より踏み込んだ水準で評価される認定になっていきます。
画像出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09238.html
4. 働きやすさを映す「5つの評価基準」
えるぼし認定は、女性が働きやすい職場であるかどうかを、
「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」
という5つの観点から評価する仕組みです。
これらの基準を満たし、毎年その実績を「女性の活躍推進企業データベース」で公表している職場が、認定の対象になります。
転職者の視点で見ると、この5つの項目は入社後の公平性・働きやすさ・キャリアの伸ばしやすさを読み取るための重要な判断材料になります。ここでは、それぞれの基準がどんな意味を持つのかを整理します。
① 採用 ― 公平な入社機会があるか
採用において性別で大きな偏りがないか、という点が評価されます。
- 男女別の採用における競争倍率が同程度であること
- 正社員や基幹的な雇用管理区分に占める女性労働者の割合が、産業ごとの平均値以上であること
といった点が見られます。
これは、性別による有利・不利が少なく、応募しやすい環境かを判断する目安になります。特に女性の割合が産業平均を上回っている場合、その企業が女性を正社員や主要なポストとして受け入れる姿勢を持っていることがうかがえます。
② 継続就業 ― キャリアを中断しなくて済む環境か
評価の中心になるのは、男女の平均継続勤務年数のバランスです。
- えるぼし:女性の平均勤続年数が男性の7割以上
- プラチナ:女性の平均勤続年数が男性の8割以上
勤続年数の比率が高いということは、出産や育児、介護といったライフイベントを経ても長く働き続けられる社内体制や職場風土が整っていることの表れです。
長期的にキャリアを築いていきたい人にとって、大切な視点です。
③ 労働時間等の働き方 ― 過重労働を避けられる環境か
労働時間については、たとえば次のような基準があります。
- 各月の時間外労働と休日労働の合計が、すべて45時間未満であること
この基準を満たしている職場は、残業の抑制や過重労働の防止に取り組んでいると判断できます。
転職後、無理のないペースで働きたい、生活とのバランスを重視したい人にとって、安心できる指標です。
④ 管理職比率 ― 昇進の機会が開かれているか
管理職の中にどれくらい女性がいるか、昇進率に男女差がないか、といった点が評価されます。
- えるぼし:産業平均以上
- プラチナ:産業平均の1.5倍以上 など
管理職として活躍する女性が多い職場は、能力に応じて昇進し、意思決定の場に関わる機会が開かれていると考えられます。
「入社後、キャリアの先が見えるかどうか」を測るときの参考になります。
⑤ 多様なキャリアコース ― 生活が変わっても働き続けられるか
たとえば、
- 非正社員から正社員への転換制度
- ライフステージで離れた人の再雇用
- 30歳以降の正社員採用
- 雇用区分の変更によるキャリアアップ
などの実績があるかどうかが評価されます。
働き方を変えてキャリアを続けられる仕組みがある職場は、「環境が変わっても働き続けたい」という人にとって心強い存在です。
5. 認定企業の探し方:職場情報サイト「しょくばらぼ」
えるぼし認定を受けている企業・法人は、厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で確認できます。
- しょくばらぼにアクセスする
- 「えるぼし認定を受けた職場情報を検索」をクリック
- 条件を入れて検索すると、認定を受けている企業・法人の一覧が表示される
一覧から気になる企業を選ぶと、
- 従業員数
- 残業時間
- 有給休暇の取得率
- 育児休業の取得状況
- 女性管理職の割合
- 平均継続勤務年数
といった情報を見ることができます。
6. 転職活動での「えるぼし認定」の活かし方
えるぼし認定は、入社後の公平性・働きやすさ・キャリアの伸ばしやすさを読み取るための重要な判断材料になります。
ここでは、これらの基準を転職活動でどのように生かせるのか、3つに分けて整理します。
① 応募先を考えるときの “目安” に使う
求人を探す段階で、
「えるぼし認定を受けているかどうか」
を一つの指標として見る方法です。
とくに★3やプラチナの企業は、5つの基準(採用・継続就業・働き方・管理職比率・キャリアコース)を幅広く満たしているため、一定の働きやすさが整っていることが多い職場だと考えられます。
ただし、認定がない会社が「良くない」という意味ではありません。プラス条件の一つにするくらいの距離感で使うと、企業選びが進めやすくなります。
② 企業研究を深める “ヒント” として使う
複数の企業を比較したいときや、応募先について、求人票よりも深い情報を知りたい時にも役立ちます。
たとえば次のような視点で数字や取り組み内容を見ていくと、求人票だけではわからない部分を把握でき、自分の働き方と合いそうかを考えるヒントになります。
- 育休取得率・復帰率 → 仕事と家庭の両立がどれくらい実現している職場か
- 残業時間 → 業務量の調整や人員配置にどんな工夫があるか
- 管理職比率 → キャリアの伸ばし方に制度面の後押しがあるか
- 継続勤務年数 → 働き続けられる環境が整っているのか
- 行動計画 → 将来に向けた改善の方向性はどうか
③ 面接での逆質問に活用する
気になる数字や取り組み内容を見つけたら、その背景を面接で確認すると、働き方のイメージがより具体的になります。
質問の例としては、次のような切り口があります。
- 育休取得率・復帰率が高かった場合
「育休からの復帰後は、どのような働き方が多いでしょうか?」 - 継続勤務年数が比較的長かった場合
「長く働いている方が多い理由として、どのような取り組みがありますか?」 - 残業が一定の範囲で収まっている場合
「繁忙期の業務量はどのように調整されていますか?」 - 管理職比率や育成計画が気になった場合
「管理職を目指す際のステップや、研修の流れについて伺えますか?」 - 働き方の変更について知りたい場合
「常勤から非常勤、あるいはその逆の働き方へ切り替える際、相談できる仕組みはありますか?」
形式的な逆質問ではなく、働き方に直結する部分を確認できるため、自分に合う環境かどうかを見極めるうえでの手がかりになります。
7. まとめ
えるぼし認定は、求人票だけでは見えにくい「働きやすさ」を客観的に知るための一つのヒントになります。 気になる企業があれば、しょくばらぼで一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
参考
厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
雇用環境・均等行政をめぐる 最近の動き
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000594317.pdf
厚生労働省 令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html
厚生労働省 職業情報総合サイト しょくばらぼ
https://shokuba.mhlw.go.jp/
