介護職の正社員は本当にメリットある?パートとの違いや働き方

介護の仕事
掲載日: 2025.07.24
0

いいね


「このままずっとパートで大丈夫かな」 ふと、そんな不安がよぎったことはありませんか?
子どもの成長、将来の生活、体力のこと――
40代・50代に差しかかると、収入や雇用の安定を意識し始める方も少なくありません。
正社員という働き方が気になってはいても、「夜勤は? シフトは? 責任は?」と、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護職のパートから正社員を目指す上で知っておきたいメリット・デメリット、働き方の違いや不安への向き合い方をお伝えします。
今の働き方を見直したいと感じているあなたが、自分に合った選択肢を考えるヒントになれば幸いです。
 

 

1.パートと正社員の違いとは?  

まずここでは、パートと正社員の主な違いを、給料・安定性・働き方の面から整理してみましょう。

給与・賞与の違い

パートは時給制が基本です。勤務日数や時間が少なければ当然収入も限られます。
厚生労働省の「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」によると、

  • 正社員(常勤)の平均月給は約33万8,000円(実働163.1時間)
  • 非常勤(時給制)の平均月収は約12万9,000円(実働84.2時間)

働く日数や時間の違いがあるとはいえ、月単位で見ると10万円以上の収入差が生じています。
介護スキルに加えて医療現場ならではの知識や対応力も身につけていくことができるのが、病院での介護職(看護助手)の特徴と言えるでしょう。

参考:令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf#page=172

雇用の安定性

パートや契約職員は「有期雇用」として採用されるケースが多く、数か月〜1年ごとの契約更新が必要です。状況によっては、更新されないケースもあり得ます。
一方で、正社員は原則として無期雇用。特別な事情がない限り雇用は継続されるため、長期的な安定を得やすい働き方といえます。

社会保険・福利厚生

正社員は、厚生年金・健康保険・雇用保険・労災保険のいわゆる「社会保険」に原則すべて加入できます。加えて、有給休暇・育児休業・介護休業といった生活の変化に備えるための仕組みが設けられています。

パートでも条件を満たせばこれらの制度を利用できる場合がありますが、勤務時間や契約内容によっては対象外となることも。

また、退職金制度についても、正社員を対象としている職場が多く、長く勤めることで将来の備えとなります。一方でパートの場合は、同じ職場で長年働いても退職金が支給されない場合も少なくありません。

働き方・責任の違い

パート勤務は比較的シフトの融通が利きやすく、業務範囲も限定されていることが多いです。正社員の場合は、夜勤や固定シフトへの対応、担当利用者の管理、引き継ぎ対応など責任を伴う業務が発生します。

その分、チームの中で信頼されやすく、将来的にリーダー業務や管理職などのキャリアアップの機会が生まれやすい点も、正社員ならではといえるでしょう。

2.どんな施設が正社員を採用しているの?  

「パートではなく、正社員として働くなら、どんな職場を選べばいいんだろう?」
そんなふうに考え始めたとき、ヒントになるのが働く施設の形態やサービス内容です。
実は、施設のタイプによって、正社員の採用が多い職場・少ない職場に分かれています。

正社員の採用が多いのは、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、病院などの大規模な入所系施設です。
こうした職場では夜勤や土日勤務を含むシフト体制が必要になるため、「夜勤が可能」「土日祝も勤務できる」など、フルタイムで柔軟な働き方ができる人材は歓迎されやすい傾向にあります。

一方、デイサービスや訪問介護のような通所・訪問系の職場では、日中のみ・短時間勤務が中心となるため、パート職員の割合が高めです。

公益財団法人介護労働安定センターの「令和4年度 介護労働実態調査」では、訪問介護員とその他の介護職員の就業実態の違いが次のように示されています。

参考:令和4年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書
https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023r01_chousa_cw_kekka.pdf

このように、訪問介護員の無期雇用の割合は6割以上ですが、週40時間未満の勤務が約46%を占めており、短時間(パートタイム)勤務の割合が高いです。
一方で、施設系の介護職員では週40時間以上働く人が6割以上で、フルタイム前提の正社員雇用が多いことがわかります。
つまり、正社員を目指すなら、入所系施設の求人に注目するのもおすすめです。

3.資格がなくても大丈夫?  

「パートで働いているけど、正社員という選択肢も気になる」
そんなふうに考え始めた方にとって、気になるのが「自分でもなれるの?」ということではないでしょうか。

介護職は、無資格・未経験からでも正社員を目指せる仕事です。

とくに、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」などの資格があると、応募できる求人の幅が広がり、有利になるケースも多いですが、資格がない状態からスタートする方も少なくありません。

最近では、働きながら資格取得をサポートしてくれる“資格取得支援制度”を導入している職場も増えており、現場で実務経験を積みながらスキルアップを目指すことも可能です。

たとえば、こんな声もあります。

💬 Kさん(40歳/入所系施設・正社員)
無資格で不安でしたが、面接で『資格は後からで大丈夫。支援制度もあるから』と声をかけてもらいました。今は初任者研修も修了し次の資格を目指しています

💬 Sさん(48歳/デイサービス・正社員)
長くパートで働いていましたが、職場から、『そろそろ正社員はどう?』と声をかけられたのがきっかけでした。シフトの融通が利くことや、チームとの連携が評価されたのかなと思います

このように、採用時に重視されるのは資格の有無だけではありません。介護の現場では、人柄や協調性、学ぶ意欲も大切にされる仕事です。これまでの勤務態度や人柄、今後の働き方への前向きさなども大きく評価されます。

4.気になるポイントQ&A  

Q1. パートの方が気楽だし…
A.
たしかに、パートは融通がきいて働きやすいというメリットがあります。
しかし、将来的な収入や社会保険、ボーナス(賞与)、雇用の安定といった点では、正社員のメリットも見逃せません。
「どちらが正解」ではなく、「今後どんな働き方をしたいか」で選ぶのがポイントです。生活や将来のために、どれだけ安定した収入が必要か、そんな視点から考えてみるのも、一つのヒントになるかもしれません。

Q2. 責任が重くなるのがちょっと不安…
A.
正社員になると、担当業務やチームでの役割が増えるケースもあります。
ただし、いきなり重い仕事を任されるわけではなく、先輩職員のフォローを受けながら、少しずつ慣れていく職場が多いです。
「頼られる」ことがやりがいに感じられる方には、むしろ向いている働き方かもしれません。

Q3. 家族の予定や体調に合わせられるか心配です
A.
確かにパートと比べると、時間の自由度は下がるかもしれませんが、近年では「日勤のみ」や「シフト相談可」の正社員求人も増えています。子育て中の方でも働きやすいよう、勤務時間や休日の配慮がある職場もあります。
家庭との両立がしやすい職場を選ぶことで、無理なく続けることも可能です。

Q4. 今の職場で正社員を目指すか、転職するか迷ってます
A.
今の職場に正社員登用の制度があるなら、まずは相談してみるのも手です。
制度がない・難しそうであれば、「正社員登用あり」の求人に絞って探す方法もあります。
どちらにしても、焦らず「自分が何を優先したいのか」を考えることが、後悔しない選択につながります。
まずは気になる求人をチェックしてみてはいかがでしょうか?

5.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用  

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

▼求職者様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/sign-up
▼企業・法人様_会員登録ページ
https://jobsoel.com/company-sign-up

 

6.まとめ  

「どちらが良い・悪い」ではなく、今のあなたの生活や将来像に合っているのはどちらか――その視点で考えてみることが大切です。
年齢や生活スタイル、家庭の状況などに合わせて、自分らしく働ける選択肢を見つけていきましょう。
もちろん、シフトや責任の重さ、家族とのバランスなど、不安や迷いがあるのも自然なことです。
でも、正社員には収入や雇用の安定、キャリアアップの機会など、パートでは得にくいメリットもあります。
最近では、無資格・未経験からチャレンジできる環境や、家庭と両立しやすい正社員求人も増えてきました。
気になることがあれば、まず情報を集めることから始めてみませんか?

 

 

友だち追加

関連コラム