車いすの基本操作と介助のコツ

介護の知識
掲載日: 2025.03.13
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医療福祉分野で働いていると、日々の業務の中で車いすを使用する機会が多いのではないでしょうか?
車いすの操作と一口に言っても、ただ押すだけでなく、利用者が安全で快適に感じるためのコツがいくつかあります。
また、車いすの正しい操作方法を習得することは、利用者への配慮はもちろん、介護者自身の負担軽減にもつながる重要なスキルです。

「慣れているから大丈夫」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、無意識に腕や腰に負担をかけていることも多いかもしれません。
そこで今回は、①車いすの基本的な押し方、②状況別の操作テクニック、③安全性と快適性の向上、④介護者が楽になるためのコツ、⑤車いすのメンテナンスについてご紹介します。
これからの仕事に役立つコツを押さえて、日々の業務が少しでも楽になるようにしていきましょう。

 

 

1.車いすの基本的な押し方   

まず、車いすを押すときには、準備がとても大事です。
準備を怠ると、操作中に車いすが思わぬ動きをしてしまい、利用者が不安に感じたり、ケガにつながることもあります。

押す前の準備と確認
車いすを押す際には、必ず以下の点を確認しましょう。

  • ブレーキの確認:移動を開始する前にブレーキが解除されていること、移動を終えたらブレーキがしっかりかかっていることを確認します。

  • フットレストの確認:利用者がフットレストにしっかり足を乗せているか確認し、足が引きずられないよう注意しましょう。

  • 利用者の姿勢:車いすに座る姿勢が安定しているか確認し、移動中も体が不安定にならないよう調整します。

基本姿勢と押し方
車いすを押すときの介護者の姿勢も重要です。次の基本姿勢を意識して、腕や腰の負担を軽減しましょう。

  • ハンドルをしっかりと握る:手のひら全体で力を分散し、安定感を持って操作します。

  • 背筋を伸ばし、やや前傾姿勢を保つ:背筋を伸ばすことで体の負担が軽減され、スムーズな操作ができます。

  • 足を肩幅に開く:長距離の移動の際には、体全体を使いながら押すことで、体への負担が少なくなります。

 

2.状況別の操作テクニック  

医療福祉の現場では、段差や傾斜といったさまざまな状況で車いすを操作する必要が出てきます。
こうしたシーンごとのコツを知っておくことで、より安全に、利用者に安心していただける移動が可能になります。

段差の乗り越え方

段差を越える際は、特に慎重な操作が求められます。車いすの前輪が段差に引っかからないよう、以下の手順を意識しましょう。

  1. 段差の手前で一旦停止し、利用者に「段差を越えますね」と声をかけます。

  2. ティッピングバーを踏む:車いすの後ろ下部にあるバーを踏み込み、前輪を少し浮かせます。

  3. 前輪を段差に乗せた後、後輪も段差に乗り上げるようにしてゆっくりと押し上げます。

傾斜路の上り下り

傾斜路は、上りと下りで操作方法が異なります。

  • 上り:上り坂では車いすを前向きで押し上げ、やや前傾姿勢を保ちながら進みます。足の力も活用して、安定した動きで支えましょう。

  • 下り:下り坂では、車いすを後ろ向きにし、軽くブレーキをかけながらスピードを調整しつつ進みます。利用者に急なスピード変化を感じさせないよう、慎重に操作しましょう。

  

3.安全性と快適性の向上 

安全な車いす操作のためには、利用者とのコミュニケーションや周囲の環境への配慮も大切です。

利用者とのコミュニケーション

安心していただくためには事前の声かけがとても重要です。目的地やルートを伝え、段差や方向転換の際にも「段差を越えます」「これから右に曲がります」など説明を行いましょう。

環境への配慮

車いす移動時の環境も整えておきましょう。通路の幅や障害物を確認し、移動しやすいように整備しておきます。
天候にも注意を払い、特に雨や風が強い日は屋内での移動を優先するなど、利用者の安全に配慮しましょう。

 

4.介護者が楽になるためのコツ  

車いすを押す際の体への負担を減らし、快適に操作するためのコツをいくつかご紹介します。介助の際に、自然な動作で効率的に力を使うことを心がけましょう。

正しい姿勢を保つ

車いすを押すときは、体を無理なく楽に保つ姿勢が重要です。体を前傾させすぎず、背筋を伸ばした姿勢で押すと力が効率的に伝わり、負担が軽減されます。

力の使い方

腕の力だけに頼ると負担が大きくなるため、体重を前にかけながら押すのがコツです。こうすることで、自然に車いすを動かすことができます。
また、ハンドルを握るときは、肘を軽く曲げて押すと安定感が増し、利用者にも優しい押し方になります。

車いすの特性を理解する

車いすの操作がより楽にできるように、車いすの特性に合わせた工夫も取り入れましょう。
段差や障害物を乗り越える際は、特に負担がかかりやすい場面です。段差の操作が必要な場合には、状況に応じて前輪を少し浮かせる工夫を取り入れると、無理なく動かせます。
また、ブレーキは急な動きを防ぐために適切に活用し、介護者自身の負担も軽減できるよう心がけましょう。

 

5.車いすのメンテナンス 

車いすを安全に長く使用するためには、定期的なメンテナンスも欠かせません。

メンテナンスの基本

タイヤやブレーキは定期的にチェックし、タイヤの空気圧、ブレーキの効き、フレームのゆるみなどを確認しましょう。

清掃と日常メンテナンス

車輪やフレームの清掃を定期的に行い、快適に操作できる状態を保ちます。こうすることで、利用者も安心して乗ることができ、介護者もスムーズに操作できます。

 

6.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用  

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

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7.まとめ  

車いすの操作は、利用者の安全や快適な移動を確保するために欠かせないスキルです。
医療福祉分野で働く方々にとって、基本的な押し方や状況別のテクニック、メンテナンスのポイントを押さえておくことは、日々の介助において大変重要です。
こうしたスキルを身につけることで、利用者との信頼関係が深まり、介護者の負担も軽減されるでしょう。ぜひこの記事を参考に、日々の業務に役立ててください。

 

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