排泄介助の基本理解:プライバシーと快適さを支えるケア

介護の知識
掲載日: 2025.03.27
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「排泄介助」とは、利用者が排泄される際に必要に応じてサポートを行うことであり、介護業務において非常に重要な役割を担っています。介護の現場で避けては通れない業務です。しかしながら、排泄はプライバシーに深く関わる行為であり、利用者にとってはデリケートでセンシティブな部分であるため未経験の方にとっては一見難しく、また未知の領域であると感じるかもしれません。未経験の方にとっては、プライバシーへの配慮や、利用者に応じた適切な手法の使い分けが求められる点で負担を感じやすい分野ともいえます。

今回は、「排泄介助」について理解を深めるために、①排泄介助とは、②排泄介助の種類、③排泄介助の方法、④排泄介助のポイントを順に解説していきます。適切な知識と理解をもって排泄介助を行い、利用者にとって快適な生活を支えられるようにしましょう。

 

 

1.排泄介助とは   

排泄介助とは、利用者が体から不要な老廃物や水分を排出する行為を手助けすることを指します。排泄は生理的な活動であるため、非常にデリケートで、特に他者に見られたくないと感じる方も多いため、排泄介助ではプライバシーを尊重することが不可欠です。また、排泄介助の手法も、利用者の身体的状況や健康状態に応じて異なり、歩行が可能な方や立位保持ができる方、あるいは寝たきりの方など、それぞれの状態に応じて適切な対応を行う必要があります。介助スキルに加え、健康状態や気持ちを理解し、状況に配慮した介助を行うことが求められます。

排泄介助においては、技術だけでは不十分です。適切な排泄介助には、利用者に対する気遣いや尊重の姿勢が重要であり、健康状態や排泄パターンを理解することも欠かせません。また、抵抗感を和らげるために、配慮を欠かさないことも大切です。手法のスキルももちろん必要ですが、丁寧な配慮をもって対応することが快適な排泄介助には欠かせない要素です。

 

2.排泄介助の種類   

排泄介助には大きく分けて「トイレ」「ポータブルトイレ」「便器・尿器」「オムツ」の4つの方法があります。それぞれの介助方法の特徴を理解し、利用者に適した方法を選択することが重要です。

  • トイレ
    一般的な洋式トイレを使用する方法です。自力でトイレまで歩行できる、もしくは軽度な介助でトイレまで移動ができる場合に適しています。自立を促すために、できる限り利用者本人が自分でできる範囲で排泄動作を行えるようサポートし、必要な部分のみ介助するようにしましょう。この方法は、自尊心を尊重しながら介助を行う点で重要です。

  • ポータブルトイレ
    持ち運び可能なポータブルトイレは、トイレまでの移動が難しい方や、夜間にのみ必要とされる方に多く使用されます。特に、排泄のタイミングを自身で判断できる利用者には適した方法で、介護者が利用者の状態に応じて安全に使えるよう配慮しながらサポートすることが大切です。また、移動が難しい利用者に対しては、日中はトイレで、夜間はポータブルトイレといったように、状況に応じて使い分けると良いでしょう。

  • 便器・尿器
    足腰の弱さや移動が難しい利用者、トイレに座ることが難しい方に適しているのが便器や尿器の使用です。排泄の意思を伝えられる場合に利用され、介護者は利用者が安全かつ清潔に使用できるよう準備や手入れを行います。特に尿器の場合、利用者が自分で使えるようであれば、介護者は必要な場合のみサポートし、衛生面に配慮しながら利用します。また、便器や尿器の管理には、使用後の清掃が欠かせません。

  • オムツ
    意思疎通が難しい方や寝たきりの方に使用されるのがオムツです。消臭機能付きのオムツを使用すると臭いによる不快感を軽減することができます。また、オムツはこまめに交換することで、利用者の肌が荒れるのを防ぎ、清潔を保ちます。適切なオムツ選びと頻繁な交換を行い、常に清潔で快適に過ごせるよう配慮しましょう。

  

3.排泄介助の方法  

排泄介助には利用者の状態やニーズに応じた手順が求められます。それぞれの方法について、具体的な手順を以下にまとめました。

  • トイレでの介助

  1. トイレへの誘導と移動サポート
    トイレまで安全に移動できるよう、周囲の障害物や床の状況を確認します。転倒のリスクがないように、ゆっくりとしたペースで誘導しましょう。
  2. 衣服の介助と姿勢の安定
    トイレに到着したら、利用者が可能な範囲で自分で衣服を下ろせるようサ排泄中はトイレの外で待機し、必要時にはすぐ対応できるように心がけましょう。ポートし、必要な部分のみを介助します。便座に座らせた際には、足がしっかりと床について安定するよう調整します。
  3. プライバシーの確保
    排泄中はトイレの外で待機し、必要時にはすぐ対応できるようにしましょう。体調を常に気にかけ、排泄後には清拭を行い、適切に着衣をサポートして体調の変化がないか確認します。
  • ポータブルトイレでの介助

  1. 準備と設置
    ポータブルトイレを利用する場合、まず便器の底にトイレットペーパーを敷き、汚れを防ぐ準備をします。
  2. 安全な移動と座位の確認
    ポータブルトイレへ安全に誘導し、必要であれば衣服を下ろすなどの介助を行います。足が床につくか、安定した姿勢を保てるかを確認し、排泄中の姿勢が崩れないよう気を配ります。
  3. プライバシーへの配慮と清拭
    排泄時はできる限り距離をとって見守り、合図があれば清拭を行います。排泄物は適切に処理し、トイレへの廃棄後にポータブルトイレの清掃を行います。
  • 便器・尿器での介助

  1. ベッド周辺の準備
    ベッドの布団を畳み、お尻の下にタオルやシートを敷いて、万が一の汚れに備えます。
  2. 排泄器具の設置
    男性には仰向けまたは横向き、女性には仰向けで尿器をあてがい、腹部にタオルをかけるなどしてプライバシーを保ちます。
  3. 清拭と器具の清掃
    排泄終了後、体調に変化がないかを確認しながら清拭と着衣のサポートを行います。排泄物の状態を確認した後、便器・尿器はしっかりと洗浄し、次回も清潔に使用できるようにしておきます。
  • オムツ交換の介助

  1. 事前準備と環境整備
    オムツ交換に必要な物品を揃え、陰洗ボトルや使い捨てグローブ、ビニール袋などを準備します。
  2. 脱衣と清拭
    プライバシーに配慮しつつ、声かけを行って脱衣を行います。利用者の陰部をしっかりと清拭し、汚れが残らないように陰洗を行います。
  3. 新しいオムツの装着と確認
    新しいオムツを装着し、固定の際に利用者へ違和感がないか確認します。違和感がある場合はオムツがずれている可能性があるため、調整が必要です。

4.排泄介助のポイント 

排泄介助を行う際には、以下のポイントに配慮することが大切です。

  • 自尊心を傷つけない
    排泄行為はプライバシーに深く関わるため、見られることへの抵抗を示す方も少なくありません。羞恥心を感じないよう、顔を逸らしたり、無駄な視線を避けたりするなど、細やかな気遣いをもって接することが大切です。できる限りプライバシーに配慮した介助を心がけましょう。

  • トイレの利用を促す
    意思表示ができる方には、オムツよりもトイレ利用を促すことで、利用者の尊厳を守り、生活リズムを維持することが可能です。利用者の気持ちを尊重しながら、できる限りトイレを利用する方向でサポートしましょう。

  • 安全性と衛生管理
    排泄後の清拭やオムツ交換は、感染症を防ぐためにも適切に行うことが重要です。また、排泄中にめまいや不快感を訴える方もいるため、排泄中および排泄後も体調変化に細かく注意を払いながら介助を進めるようにしましょう。

5.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用 

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6.まとめ:排泄介助の大切さ 

排泄介助は、利用者が安全で快適に過ごすために欠かせない基本的かつ重要なケアです。適切な排泄リズムの維持はもちろん、プライバシーを尊重した介助により、利用者の尊厳が守られ、安心して生活できる環境が整います。介護現場で排泄介助を行う際には、基礎的な知識と技術を確実に身につけ、「プライバシーの配慮」「利用者の安全管理」「快適な排泄環境の提供」を心がけることが重要です。

排泄介助は単なるサポートを超え、利用者の尊厳と心地よい日常を支えるための大切なケアです。その意義をしっかりと理解し、日々の業務に努めていきましょう。

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