サービス付き高齢者向け住宅の特徴と働くメリット:介護職が知っておきたい基本情報
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「今度近くにサービス付き高齢者向け住宅ができるらしいよ」という話を耳にする機会が増えましたが、皆さんの周りでも話題になっていませんか?
近年、都市部から地方まで日本各地でサービス付き高齢者向け住宅が増えており、介護職として働く方々や求職者の間でも注目が集まっています。
しかし、名前はよく聞くものの、実際にはどのような施設なのかを詳しく理解している方は少ないかもしれません。
今回は、サービス付き高齢者向け住宅について解説します。ここでは、①サービス付き高齢者向け住宅とは、②他の高齢者向け住宅施設との比較、③ サービス付き高齢者向け住宅での介護職の仕事内容、④ サービス付き高齢者向け住宅で働くメリットとデメリットの順に説明します。
ぜひ参考にしていただき、サービス付き高齢者向け住宅での働き方や必要なスキルについて理解を深めましょう。
目次
1.サービス付き高齢者向け住宅とは
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、基本的に高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅であり、バリアフリー設計がされていることが特徴です。多くの高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けたいと希望しているため、「地域包括ケアシステム」の一環として国が支援する施設でもあります。高齢者がご家族と離れた地域で暮らすことに不安を感じたり、介護が不要であっても日常的な生活サポートを必要とする方に適しています。施設内に介護士がいることで安心感を提供しています。
入所対象者の条件
サービス付き高齢者向け住宅には、基本的に60歳以上で介護が不要、もしくは要介護度が低い高齢者が入居可能です。生活支援が提供されるため、重度の介護が必要でない方が主な対象となります。施設では生活相談や見守りサービスを行っており、入居者はほぼ自立した生活が送れるため、信頼できる住環境として選ばれることが多いです。
2.他の高齢者向け住宅施設との比較
他の高齢者向け施設で働く場合と比べ、サ高住では身体的な負担や業務内容が異なります。
それぞれの施設の特徴を比較しながら、どのような点が介護職員にとって働きやすい環境か見ていきましょう。
1. 特別養護老人ホーム(特養)との比較
特養は、原則として要介護3以上の方を対象にした施設で、24時間体制の介護サービスが提供されます。
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入居条件:要介護3以上
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サービス:24時間体制での介護、食事・排泄・入浴介助など
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費用:費用は比較的低額ですが、入居希望者が多く、待機期間が長いこともあります
24時間体制で、日常生活に必要な食事、排泄、入浴など、幅広い身体的ケアが提供されます。職員は重度の介護が必要な方の身体的サポートを行う機会が多いため、体力や介護技術の習得が必要とされ、実践を通じて高度なケアスキルを学べる環境です。
2. 介護付き有料老人ホームとの比較
65歳以上の高齢者を対象に、日常生活全般の支援と医療的ケアを含む包括的なサービスを提供する施設です。
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入居条件:原則65歳以上で、要介護認定を受けた方が対象
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サービス:24時間体制で、食事・排泄・入浴などの介助を行い、看護師が常駐し、健康管理や服薬管理などの医療対応も行われます。入居者の身体機能の維持や生活の質を向上させるためのリハビリテーション、楽しみや活動を提供するレクリエーション活動も含まれています。
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費用:高額な入居一時金が必要な場合もあり、施設によって料金体系が大きく異なることが特徴です。月額には食費や光熱費、介護サービス費用が含まれることが多く、手厚いサービスが提供されます。
日常的に身体介助を行うことが多く、利用者との密な関わりを通じて、介護技術や専門知識の向上を図れる場面が多くあります。やりがいを感じながら、ケアのプロとして成長を重ねることができるでしょう。
3. グループホームとの比較
グループホームは、認知症を持つ方が共同生活を送る施設です。少人数での生活支援が特徴であり、特に認知症ケアに特化しています。
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入居条件:認知症の診断を受けた要支援2以上の方
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サービス:認知症ケアを中心とした生活支援、少人数での共同生活をサポート
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規模:1ユニット9名程度の少人数でのケアが基本
介護職員は、認知症の方への細やかなケアと個別対応を行うため、利用者に寄り添った支援が求められます。利用者一人ひとりとの関わりが深まることで、認知症ケアの専門性を身につける機会が豊富です。
3.サービス付き高齢者向け住宅での介護職の仕事内容
サービス付き高齢者向け住宅と他の施設の概要を把握したところで、次に、そこでの介護職の仕事内容について見てみましょう。
多くの入居者は自立しているため、「本当に介護職が必要なのか」と疑問に思うかもしれませんが、介護職の役割は重要です。
主な業務としては、以下のような内容が挙げられます。
安否確認と生活相談
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安否確認:入居者は高齢者であるため、日々の健康管理が大切です。毎日1回は部屋を訪ね、安否確認を行い、何か困りごとがないか、体調に変化がないかをチェックします。
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生活相談:小さな悩みや健康に関する不安などを聞く「生活相談」も重要な業務です。相談内容をもとに、必要なサポートを提供し、入居者が安心して過ごせるようにしています。
介助業務
入居者の多くは軽度の介護が必要とされていませんが、近年では介護度の高い方も一部入居することが増えています。そのため、介助を行うケースもあり、特に食事や入浴、排泄の介助が含まれることがあります。また、日常生活での困りごとがあれば、買い物の代行や掃除の補助も行うなど、入居者の生活を支える役割も担っています。
未来の変化に備えて
将来的には、要介護の入居者が増える可能性もあるため、介護職のスキルがますます重要になっていくでしょう。サービス付き高齢者向け住宅においても介護職の必要性は高くなる一方で、より多様なスキルを身につける機会も増えてきています。
4.サービス付き高齢者向け住宅で働くメリットとデメリット
サービス付き高齢者向け住宅で働くことには、他の介護施設とは異なるメリットとデメリットがあります。
働き始める前にそれらを把握し、期待と現実のギャップを防ぎましょう。ここでは、メリットとデメリットを詳しくご紹介します。
メリット
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身体的負担が軽い:要介護度が低い方が多いため、他の施設に比べて身体的負担が少ない傾向があります。重い介助が不要なことが多く、介護職としての負担が軽減されます。
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コミュニケーションスキルと対応力の向上:入居者の生活支援がメインの業務となるため、コミュニケーションを取る機会が多く、対人スキルや信頼関係構築能力を磨くことができます。また、各入居者のニーズに応じたケアが求められるため、状況に応じた柔軟な対応力も身につきます。
デメリット
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スキルアップが難しい場合がある:「入居者の多くが軽度の介護のみを必要とするため、技術的なスキルアップの機会が限られることもあります。しかし、近年は要介護度の高い方も増えているため、状況次第では新たなスキルを身につけるチャンスも広がりつつあります。
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変化に柔軟に対応する必要性:入居者の健康状態や介護度によって業務内容が変化するため、柔軟な対応が求められます。特に、介護度の高い入居者が増えると、従来の業務内容が見直される可能性もあります。そのため、必要なスキルや知識を積極的に習得する姿勢が重要です。
メリットとデメリットを理解することで、より満足度の高い働き方を見つけられるでしょう。
5.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用
医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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6.まとめ
サービス付き高齢者向け住宅は、入居者が安心して自立した生活を続けられるようにサポートする施設であり、介護職としても非常にやりがいが感じられる職場です。
仕事内容やメリット・デメリットを正しく理解し、将来の働き方やスキルアップの目標を見据えてみましょう。
これらの知識をもとに、自分に合った働き方を見つけることで、より充実したキャリアを築くことができます。