【2025年6月施行】労働安全衛生規則改正とは?職場の熱中症対策!

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掲載日: 2025.06.26
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毎年「今年は猛暑」「過去最高の暑さ」などの言葉を耳にしますが、気象庁の季節予報によると、2025年の夏の気温も例年より全国的に高くなる予想とのことで、今年も暑さの厳しい夏になりそうです。
夏の時期に注意しなければならないのが熱中症。2025年6月、職場での熱中症の重篤化を防ぐための労働安全衛生規則が施行されました。
今回は、改正された労働安全衛生規則についてや熱中症対策などをご紹介します。
 

 

1.熱中症とは  

「熱中症」とは、高温・多湿の環境で体温調節がうまくできなくなり、体内の水分・塩分のバランスが崩れたり、体内の重要な調整機能が正常に機能しなくなり、身体に熱が溜まってしまい発症する障害の総称です。

熱中症の症状

初期:めまい、立ちくらみ、大量に汗をかく、筋肉痛、こむら返り(足がつる) など
症状が進んだ場合:頭痛、吐き気・嘔吐、倦怠感、失神、意識障害、言語障害 など

2.2025年6月施行【労働安全衛生規則改正】とは?  

近年、熱中症による全国の死亡者数が年間30人を超えており、厚生労働省によると3年連続で30人台で推移しているとのことでした。その主な原因は、初期症状に気が付かない・違和感を感じつつも放置した・対応/処置の遅れとなっています。
そういった現状から、熱中症のおそれがある労働者に対して素早く対処し重症化を防ごうと、2025年6月1日に労働安全衛生規則が施行されました。今後、職場における熱中症対策が義務化となります。

【主な内容】

見つける: 職員の異変に気が付く
判断する: 医療機関への搬送、救急隊の要請
対処する: 搬送中や救急隊の到着を待つ間、身体冷却や水分補給等の対応
これらを職場内で周知させ、早期発見・対応ができる体制を整えることが重要です。

対象:WBGT値(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境下で、連続1時間以上または1日4時間を超えて実施が見込まれる作業
罰則:6月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります

参考:厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf

3.職場での対応・対策  

作業時間の短縮

高温多湿環境での作業は極力控え、行う場合にも連続作業時間を短くしましょう。また、天気・気温の状況に合わせ、作業内容も調整するなど臨機応変な対応が大切です。

休憩時間の設定・休憩場所の整備

職場側で定期的に十分な休憩時間を設け、職員に負担がかからないよう対応をしましょう。
また、休憩場所は適度に冷房をかけた涼しい環境を整え、飲み物・塩分タブレット・冷えたおしぼり等、身体を適度にクールダウンできる設備もあるとよいです。

水分・塩分の摂取

作業を行っているとついつい水分補給の回数が減ってしまいますが、喉の渇きを感じる前にこまめに水分補給・塩分摂取を行うよう職場内で呼びかけを行いましょう。
水分・塩分の摂取を確認する表を作成し管理をしたり、巡視も取り入れるとよいでしょう。

作業時の服装

通気性・速乾性のよい服装が適しているため、制服を導入している職場の場合には、夏服を準備するなど職員が快適に過ごせるよう対応を取るとよいです。また野外での作業が発生する場合には、帽子など日射しを避けられる物の着用を呼びかけましょう。

健康状態の管理・措置

事業者は、熱中症発生リスクを抑えるため、下記の取り組みを行うことが求められます。

  • 業務中、定期的な健康状態の確認を行う
  • 業務開始前に健康状態の確認を行う
  • 健康診断等で異常が認められた職員については、業務内容の変更や軽減の措置をとる(医師などの意見を参考にする)
  • 日常の健康管理に対しての指導を行う
  • 緊急時の連絡網を作成、周知

熱中症発生時・疑いがある場合の対応

本人もしくは周囲の人が少しでも体調の異変・熱中症の疑いを感じた際には、直ちに作業を停止させ、涼しい場所への避難、身体冷却、医療機関への連絡・搬送などを行いましょう。
医療機関への搬送中や救急隊到着までの間には、涼しい環境で水分・塩分の摂取、身体の急速冷却などを行うとよいです。

意識がはっきりしていない・意識がない場合: すぐに救急隊を要請
意識がはっきりしている場合: 涼しい環境へ移動・身体冷却・水分塩分補給
※意識がはっきりしている場合でも、自力で水分補給ができないなど少しでも異常があれば救急隊を要請する。

4.自己管理も強化  

寝不足や体調不良時、二日酔いのときには熱中症になりやすいため更に注意が必要です。日常の健康管理を心がけ、少しでも調子が悪い時には無理をしないことが一番です。
寝苦しい時期ですが、寝不足にならないためにも、夏は通気性・吸水性のよい寝具を取り入れたり、冷房を適度に使い環境を整え、質の良い睡眠で体をしっかりと休めましょう。
体調管理とちょっとした心掛けで熱中症になりにくい体づくりをすることが重要です。

5.さっそく実践!熱中症予防のポイント  

こまめな水分補給

脱水症状が起きていると喉の渇きを感じづらくなります。そのため、のどの渇きを感じる前にこまめに水分をとるように心がけましょう。汗をかいた時には、水分に加えて塩分もとるようにしましょう。塩分タブレットやスポーツドリンクで手軽にとることができます。
ただし、冷たい飲み物・食べ物を摂りすぎると、消化器の働きを低下させ食欲低下を起こしてしまうので、冷たい物が欲しくなる時期ですが、ほどほどにしてください。

朝食をとる

朝食を食べることは熱中症予防対策に繋がります。ごはんからブドウ糖、みそ汁から塩分と水分といった熱中症対策に重要な栄養素を摂ることができます。朝食は水分補給・体力を補い、自律神経の活性化につながるため、暑さで食欲が低下する夏こそしっかり意識して食べるようにしましょう。

暑熱順化をはじめる

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、体を少しずつ暑さに慣れさせて暑さに対して体温コントロールができる強い体を作ることです。暑熱順化には少し時間がかかるため、夏本番前に取り組みを開始することをおすすめします。
できるだけ高温多湿・炎天下での外出や活動は控えて暑さを避ける行動も大切ですが、冷房の利いた部屋に長時間いると体温調節機能や自律神経の働きが低下してしまうので注意です。
普段からあまり汗をかかない人・運動不足という人は、日常的に軽い運動などを取り入れ適度に汗をかくとよいです。

6.転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用  

医療・介護分野での転職には、専門の求人情報プラットフォームであるJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

JobSoelでは、全国の医療福祉に関する職種の求人情報を検索できるほか、施設の雰囲気や具体的な取り組みを知ることができます。
新しい職場での働き方や成長のチャンスを具体的にイメージしながら転職活動を進められるので、安心して検討できますよ。
自分に合った職場を見つける一助として、ジョブソエルを活用してみてください。効率的に転職活動を進めるための心強いツールとなるでしょう。

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7.まとめ  

熱中症は命を落とすこともある危険なものです。改正された労働安全衛生規則により職場もより安全な環境整備に力を入れるようになるかと思いますが、自分自身でも日頃から熱中症になりづらい身体づくりを心掛け、今年の暑さも元気に乗り切りましょう!

 

 

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