【2026年版】介護福祉士国家試験の「パート合格制度」とは?受験免除の仕組みと注意点を解説
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はじめに:
こうした状況を踏まえ、介護福祉士国家試験には新たに「パート合格制度(合格パートの受験免除)」が導入されました。本コラムでは、制度の仕組みや対象者、有効期間、再受験時の取り扱い、利用時の注意点までわかりやすく解説します。
目次
1. 介護福祉士国家試験の「パート合格制度」とは?
介護福祉士国家試験の「パート合格制度」とは、筆記試験の全科目を3つのグループ(パート)に分割し、それぞれのパートごとに合否を判定する仕組みのことです。
総得点で不合格となった場合でも、基準点を満たしたパートは「合格」として記録され、翌年度以降の試験で受験免除が可能になります。
3つのパート構成
試験範囲となる13科目は、学習内容の関連性を踏まえ、以下の3つのパート(A・B・C)に区分されています。
※合計125問
Aパートは「介護の理念や制度、基本技術」、Bパートは「人体の仕組みや疾病などの医学的知識」、Cパートは「実践的な事例対応」が中心です。
出題数は過去の傾向を基にしたおおよその配分であり、今後の試験実施時に変更される可能性があります。
2. 「パート制度」はいつから始まった制度?
介護福祉士国家試験の「パート合格制度」は、令和7年度(第38回)介護福祉士国家試験から導入されました。受験免除として利用可能なのは令和8年度(第39回)試験からです。
令和7年度試験では、すべての受験者が従来どおり全パートを受験しています。ただし、この試験からは新たに、総得点で不合格となった場合でも、パートごとの合否判定が行われ、合格したパートが記録される仕組みが開始されました。
その結果を踏まえ、令和8年度(第39回)試験以降は、前年度までに合格しているパートがある受験者について、申し込み時に「合格済みパートの受験免除」を選択できるようになっています。
3. 対象となる受験者
「パート合格制度」は、介護福祉士国家試験の筆記試験を受験するすべての人が対象です。
特定のルートに限定されるものではなく、以下のすべてのルートで受験する方がこの制度を利用できます。
- 実務経験ルート(実務経験3年以上+実務者研修修了など)
- 養成施設ルート(介護福祉士養成施設などの卒業者)
- 福祉系高校ルート(福祉系高校の卒業者など)
- EPA(経済連携協定)ルート
働きながら合格を目指すパート・アルバイト勤務の方も、外国人材の方も、一律に適用される仕組みとなっています。
4. 科目合格の扱い(有効期間・再受験時の取り扱い)
一部のパートで合格基準を満たした場合、その結果はどのように扱われるのでしょうか。ここでは、有効期間や再受験時の取り扱いについて整理します。
① 合格パートの有効期間
パート合格の有効期間は2年間、合格した試験の実施年度から起算して「翌年」と「翌々年」です。 例えば、令和7年度の試験でAパートに合格した場合、その免除を利用できるのは令和8年度と令和9年度の試験になります。この期間内に残りのパートすべてに合格しなければ、有効期限が切れたパートは再度受験し直す必要があります。
② 再受験時の選択肢
既に合格済みのパートがある場合、次回以降の受験時に以下のいずれかの受験方法を選択できます。
- 不合格パートのみを受験:合格済みのパートを免除し、未合格のパートのみを受験する方法。
- 全パートを再度受験:合格済みのパートがある場合でも、すべての科目をあえて受験する方法。
なお、不合格となっているパートが複数ある場合に、そのうちの一部だけを選んで受験することはできません。不合格パートはすべて同時に受験する必要があります。
③ 再受験時の注意点
合格済みのパートを再度受験し、再び合格基準に達した場合は、その時点から新たに2年間の有効期間が発生します。これにより、有効期間を延長しながら最終的な全パート合格を目指すことも理論上は可能です。
5. 従来制度との違い
① 合否判定の単位
- 従来:全13科目を一括して判定。
- 新制度:全科目の総得点による判定に加え、不合格者にはパート単位での判定も実施。
② 不合格時の扱い
- 従来:一部の科目で高い得点を取っていても、総得点が足りなければ翌年は再び全科目を最初から受験する必要がありました。
- 新制度:基準に達したパートについては、翌年以降、最大2年間そのパートの受験を免除されます。
③ 合格基準の考え方
全体の合格基準(総得点の60%程度を基準とし、難易度で補正する)という方針に変更はありません。しかし、新制度では新たに「パートごとの基準点」が設定されます。 パート別の基準点は、その試験回全体の合格基準点を、受験者の平均得点比率などに基づいて按分(割り振ること)して算出されます。
6. 制度利用の注意点
①「0点科目」があるとそのパートは不合格
パート合格制度を利用する場合でも、各パートを構成する科目群の中に得点が「0」の科目が一つでもあると、そのパートは不合格となります。 これは、特定の科目を完全に捨ててしまうことを防ぎ、介護福祉士として幅広い知識を求める制度趣旨に基づくものとされています。
② 受験手数料はパート数にかかわらず一律
1パートのみを受験する場合でも、全パート受験と同額の手数料が必要となります。受験手数料は一定(令和7年度は18,380円)です。これは、受験申込から合格証書交付に至るまでの事務手続きコストに大きな差が生じないためと説明されています。
③「パート合格」では介護福祉士を名乗れない
一部のパートに合格した「パート合格者」の状態では、国家資格としての「介護福祉士」ではありません。 したがって、以下の点に注意が必要です。
- 介護福祉士としての登録や名称使用はできません。
- 事業所の人員配置基準や、サービス提供体制強化加算などの報酬算定対象には含まれません。 最終的に3つすべてのパートで合格実績が揃い、登録を済ませることで初めて介護福祉士となります。
④ 特定技能外国人の在留期間延長に関する特例
特定技能1号の在留資格で働く外国人の方は、在留5年目の試験で「パート合格」を取得するなどの条件を満たせば、最長1年間の在留期間延長(6年目の滞在)が認められる措置が講じられています。この特例を利用するには、一定の得点率(基準点の8割以上)や学習計画の提出など、追加の要件を満たす必要があります。
※本コラムの内容は、厚生労働省および公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表している2026年1月時点での情報に基づいています。
試験の運用ルールや申込手続き、最新の合格基準などは、今後の状況により詳細が更新される可能性があります。受験を検討される際には、公式サイトで最新の情報をご確認ください。
7. 転職活動とJobSoel(ジョブソエル)の活用
働きながら資格取得を目指す場合、学習と両立しやすい職場環境や実務経験として認められる業務内容が重要になります。医療・介護・福祉分野に特化した求人サイトJobSoel(ジョブソエル)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ジョブソエルでは資格取得支援制度のある求人も多数掲載しています。
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まとめ
パート合格制度は、介護福祉士国家試験を段階的に合格できる新しい仕組みです。制度を正しく理解し、自分に合った受験計画を立てることで、働きながらでも無理なく資格取得を目指せます。将来のキャリアアップに向けて、今できる一歩から始めていきましょう。
本コラムが、新制度を理解するための参考となり、ご自身のキャリアを考える一助となれば幸いです。
参考:
厚生労働省「介護福祉士国家試験におけるパート合格(合格パートの受験免除)の導入について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index_00002.html
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「パート合格(合格パートの受験免除)がスタートします!」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/info/info_part.html
厚生労働省「介護分野における『特定技能1号』外国人の通算在留期間の延長に関する措置について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kaigo.tokuteiginou.extension
