【費用比較】訪問看護の事務所は賃貸 vs 自宅兼どっちが正解?メリットと物件選びの基準
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はじめに:
訪問看護ステーションを開業する際、多くの方が最初に悩むのが「賃貸物件を借りるべきか」「自宅兼事務所で始めるべきか」という点です。
自宅兼事務所であれば初期費用や固定費を抑えやすい一方、生活空間との区分や将来的な事業拡大を考えると、賃貸物件の方が適しているケースも少なくありません。どちらを選ぶ場合でも重要なのは、厚生労働省の設備基準や自治体の指定基準を満たすことです。
この記事では、賃貸物件で開業するメリット・注意点・費用相場を中心に、自宅兼事務所との違いも踏まえて解説します。
目次
- 訪問看護ステーションを賃貸物件で開業する5つのメリット
- ① ケアマネジャーや医療関係者など「外部の来訪」に対応しやすい
- ② カンファレンス室や更衣室など「スタッフが働きやすい環境」を構築できる
- ③ 地域特性(自動車・電動自転車など)に合わせた専用駐車場・駐輪場を確保しやすい
- ④ 職員の増員や事業拡大時にも「短期での移転リスク」を減らせる
- ⑤ 職場見学時の印象がアップし、開業期の採用活動(求人)で有利になる
- 契約前に要チェック!賃貸物件を選ぶ際の9つの注意点マトリクス
- 物件契約のトラブルを防ぐ「法人利用・看板設置」の確認
- レイアウトで後悔しないための自治体(指定権者)への事前相談
- 【資金計画】賃貸開業にかかる初期費用&毎月の固定費シミュレーション
- 毎月発生する維持費の目安(東京都23区・15〜25㎡の一例)
- 物件契約から事務用品調達までの初期費用目安
- 経営を軌道に乗せるために「3〜6か月分の運転資金」が必要な理由
- 結局どちらがおすすめ?賃貸と自宅兼事務所の失敗しない選び方
- 開業コストを極限まで抑えてスモールスタートしたいなら「自宅兼事務所」
- スタッフの定着、信頼性、数年後のスケールを見据えるなら「賃貸物件」
- まとめ:物件選びと並行して「開業期の採用戦略」を立てることが成功の鍵
訪問看護ステーションを賃貸物件で開業する5つのメリット
実際には多くの訪問看護ステーションがマンションやオフィスビルなどの賃貸物件を利用しており、事業拡大に合わせてより広い事務所へ移転するケースも珍しくありません。賃貸を選ぶ5つの具体的なメリットを見ていきましょう。
① ケアマネジャーや医療関係者など「外部の来訪」に対応しやすい
賃貸物件を事務所にすることで、自宅と職場を完全に分離できます。訪問看護ステーションには、日常的な業務や連携のために次のような外部関係者が頻繁に出入りします。
- 看護師・リハビリスタッフ(社員): 訪問前後の申し送り、カンファレンス、記録作成
- ケアマネジャー: サービス担当者会議や利用調整、情報共有
- 医療機関の担当者(病院・診療所): 退院前カンファレンスや診療情報の共有
- 医療材料・機器の業者: 衛生材料や感染対策用品の納品・点検
- 行政担当者: 指定申請時の実地確認や運営指導(実地指導)
独立した事務所であれば、こうした来訪者への対応がスムーズになり、家族の生活空間に影響を与えません。プライベートとのメリハリもつきやすく、スタッフも業務に集中できます。
② カンファレンス室や更衣室など「スタッフが働きやすい環境」を構築できる
訪問看護は直行・直帰だけでなく、訪問前後に事務所へ戻って情報共有や記録作成を行うことが多いため、快適な環境づくりが欠かせません。賃貸オフィスであれば、以下のスペースを確実に確保できます。
- デスク・パソコンを設置する事務スペース
- 個人の荷物やユニフォームを保管するロッカー・更衣室
- 訪問の合間にしっかり休める休憩スペース
- 症例検討や研修、申し送りを行うミーティングスペース
快適な職場環境はスタッフの定着率に直結します。採用活動でも「設備が整っているか」を重視する求職者は多いため、環境整備は大きなアドバンテージになります。
③ 地域特性(自動車・電動自転車など)に合わせた専用駐車場・駐輪場を確保しやすい
訪問看護では移動手段の確保が必須ですが、地域によって最適な乗り物は異なります。
- 地方・郊外: 訪問先までの距離が長いため、自動車や軽自動車が中心。
- 都市部(東京など): 駐車場の確保が難しく、効率よく回るために電動アシスト自転車や原付バイクを活用。
- 積雪・坂道地域: 四輪駆動車や地域特性に合わせた車両を選択。
賃貸物件を選ぶ際は、「事業所専用の駐車場を確保できるか」「十分な駐輪スペースがあるか」を事前に確認・確保しやすいのがメリットです。将来的な増車も見据え、余裕のある物件を選んでおくと安心です。
④ 職員の増員や事業拡大時にも「短期での移転リスク」を減らせる
開業当初は3〜4名でスタートしても、利用者が増えればスタッフを増員することになります。自宅兼事務所で開業した場合、スペースがすぐに不足し、わずか1〜2年で事務所移転を迫られるケースが少なくありません。
事務所を移転するとなると、物件探しや引っ越し費用がかかるだけでなく、自治体への「変更届」の提出(提出期限や必要書類は要確認)、利用者やケアマネジャーへの周知など、膨大な手間が発生します。最初からある程度余裕のある賃貸物件を選んでおくことで、こうした短期での移転リスクを回避し、安定した運営を続けられます。
※指定申請や変更届の標準様式については、厚生労働省の「介護事業所の指定申請等のウェブ入力・電子申請」システムも活用できます。
⑤ 職場見学時の印象がアップし、開業期の採用活動(求人)で有利になる
独立した事務所を構えることで、利用者や家族、ケアマネジャー、医療機関に対して「継続的・安定的に運営されている事業所」という高い信頼感を与えられます。
また採用活動の際、職場見学で事務所の環境をチェックする看護師は非常に多いです。デスクや休憩スペース、更衣室が綺麗に整備されていることで、「スタッフを受け入れる体制が整っている安心の職場」という印象を与えやすく、優秀な人材の応募・獲得につながります。
契約前に要チェック!賃貸物件を選ぶ際の9つの注意点マトリクス
賃貸物件で開業する場合は、契約書に判を押す前に必ず以下のチェックリストを確認してください。
物件契約のトラブルを防ぐ「法人利用・看板設置」の確認
- 賃貸借契約で事業利用(法人登記・営業)が認められているか
- オーナーや管理会社から訪問看護事業を行う承諾を得られているか
- 建物外部やエントランスに事業所の看板・表札を設置できるか
レイアウトで後悔しないための自治体(指定権者)への事前相談
- 専用の事務室を確保できるか
- 指定基準を満たす広さ(スタッフが複数勤務できる広さ)があるか
- 鍵付き書庫や個人情報を適切に管理できるスペースはあるか
- 医療材料や感染対策用品、備品を清潔に保管できるか
- 必要な数の駐車場・駐輪場を敷地内または近隣に確保できるか
- 将来的な人員増加(リハビリ職の追加など)にも対応できるか
物件を契約した後に「事業利用が認められなかった」「指定基準のレイアウトを満たせなかった」という事態を防ぐため、契約前に必ず図面を持って自治体の窓口へ相談に行きましょう。
【資金計画】賃貸開業にかかる初期費用&毎月の固定費シミュレーション
資金計画を立てる際は、毎月のランニングコストと、物件契約時に必要なイニシャルコストの両方を計算しておく必要があります。
毎月発生する維持費の目安(東京都23区・15〜25㎡の一例)

物件契約から事務用品調達までの初期費用目安

経営を軌道に乗せるために「3〜6か月分の運転資金」が必要な理由
開業直後は利用者数が少なく、介護報酬や診療報酬が実際に口座に入金されるまでには3か月ほどタイムラグがあります。そのため、事務所の維持費だけでなく、スタッフの人件費や車両費などをカバーできるよう、最低でも3〜6か月程度の運転資金を確保しておくことが倒産を防ぐ絶対条件です。
自己資金だけで賄うことが難しい場合は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や、自治体の創業支援融資、各種補助金・助成金を早めにリサーチして申請の準備を進めましょう。
結局どちらがおすすめ?賃貸と自宅兼事務所の失敗しない選び方
それぞれの特徴を踏まえ、あなたがどちらのスタイルで開業すべきかの基準をまとめました。
開業コストを極限まで抑えてスモールスタートしたいなら「自宅兼事務所」
自己資金に限りがあり、まずは身内や少人数の信頼できる仲間だけでリスクを抑えて始めたい場合は、自宅兼事務所が向いています。物件取得費や毎月の家賃を大幅に浮かせられるため、経営が軌道に乗るまでのキャッシュフローを楽にできるのが最大の強みです。
スタッフの定着、信頼性、数年後のスケールを見据えるなら「賃貸物件」
最初から採用活動に力を入れ、数年以内にエリア展開やリハビリ職の増員など、事業のスケール(拡大)を目指している場合は賃貸物件の一択です。スタッフの働きやすさ、外部連携のしやすさ、採用面での有利さは、固定費を払うだけの十分な価値があります。
まとめ:物件選びと並行して「開業期の採用戦略」を立てることが成功の鍵
訪問看護ステーションの開業において、物件選びは資金計画や今後の拡大性を左右する重要な分岐点です。コストを抑えたいなら自宅兼事務所、働く環境や信頼性、将来性を重視するなら賃貸物件と、自身の事業計画に合わせて最適な選択をしましょう。
そして、どちらの物件を選ぶにしても、開業後に事業を安定させる最大の鍵は「看護師やリハビリ職などの人材確保」にあります。訪問看護の採用市場は非常に競争が激しいため、事務所選びと並行して、開業前から具体的な採用計画を練っておくことが重要です。
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