訪問リハビリと訪問看護ステーションの違いとは?理学療法士の働き方・給与・求人の選び方を徹底比較
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病院やリハビリテーションセンターから在宅医療への転職を考えたとき、理学療法士(PT)が最初にぶつかる疑問が「病院やクリニックが提供する『訪問リハビリ』と、法人が運営する『訪問看護ステーションからのリハビリ』は何が違うの?」という点です。
どちらも利用者の自宅に伺ってリハビリを提供する点では同じですが、実は「運営母体」「指示書を出す医師」「算定する報酬(医療保険・介護保険)」「給与体系」など、中身には大きな違いがあります。これらを知らずに求人を選んでしまうと、「思ったより稼げない」「やりたかったリハビリと違う」といったミスマッチに繋がりかねません。
この記事では、訪問看護・訪問リハビリ業界への転職で後悔しないために、理学療法士の視点から2つの働き方の違い、給与相場、そして自分に合った求人の選び方までを徹底比較・解説します。
目次
- 1. 訪問リハビリと訪問看護ステーション(リハビリ)の根本的な3つの違い
- ① 運営母体と「指示書」を出す医師の違い
- ② 保険制度上の「単位(算定報酬)」と手続の違い
- ③ リハビリの提供時間と制限
- 2. 働き方・職場環境の比較
- 3. 給与・年収相場と「インセンティブ(歩合)」の違い
- 4. 将来性や役職はどう変わる?キャリアパスの違い
- 5. 訪問看護ステーションの管理者は、理学療法士でもなれるのか?
- 6. 【タイプ別】理学療法士はどちらを選ぶべき?求人の選び方基準
- 病院・クリニックの「訪問リハビリ」が向いている人
- 「訪問看護ステーション」のリハビリ職が向いている人
- 7. まとめ:あなたの価値観に合った理学療法士求人を「ジョブソエル」で見つけよう
1. 訪問リハビリと訪問看護ステーション(リハビリ)の根本的な3つの違い
まずは、制度や仕組みとしての大きな違いを3つのポイントに分けて解説します。

① 運営母体と「指示書」を出す医師の違い
- 訪問リハビリ(病院・診療所・老健):
病院やクリニック、介護老人保健施設(老健)などが運営母体です。リハビリの指示を出すのは、基本的には「その病院・診療所の医師」になります。医師が身近にいるため、利用者の医学的な状態変化について相談しやすい環境です。 - 訪問看護ステーション(リハビリ職):
医療法人だけでなく、株式会社や合同会社など民間企業も多く参入・運営しています。リハビリの指示は、利用者の「かかりつけ医(主治医)」が発行する『訪問看護指示書』に基づいて行われます。主治医が外部のクリニックであることも多いため、ステーション内の看護師を介して連携を取るのが一般的です。
② 保険制度上の「単位(算定報酬)」と手続の違い
どちらも介護保険・医療保険が適用されますが、制度上の扱いが異なります。
- 訪問リハビリ: 「訪問リハビリテーション費」として算定されます。
- 訪問看護ステーション: 看護師の代わりにリハビリ職が訪問する場合でも、制度上は「訪問看護費(リハビリ職による訪問)」として算定されます。そのため、リハビリ職であっても定期的に「訪問看護計画書・報告書」の作成と、主治医への提出が義務付けられています。
③ リハビリの提供時間と制限
- 訪問リハビリ: 原則として1回20分、40分、60分(週に計120分までなど)の制限が比較的厳格に管理されます。
- 訪問看護ステーション: 基本は1回30分、60分、90分の枠があり、看護師との枠のシェアや利用者の状態に応じた柔軟なスケジュールが組みやすい傾向にあります。
2. 働き方・職場環境の比較
理学療法士が働く上で、日々の業務や環境には以下のような違いが生まれます。
| 比較項目 | 訪問リハビリ(病院・クリニック発) | 訪問看護ステーション(リハビリ職) |
|---|---|---|
| 主な所属メンバー | 医師、リハビリ職(PT/OT/STが多数) | 看護師(多数)、リハビリ職(少数〜中規模) |
| 他職種との連携 | 院内の医師や他リハ職と直接話しやすい | ステーション内の看護師と密に連携する |
| 兼務の有無 | 院内のリハビリ(外来・入院)と兼務の場合あり | 基本は訪問業務に100%特化 |
| 研修・教育体制 | 病院の教育基盤があり、同期や先輩が多い | ステーションによるが、現場同行が中心 |
病院・クリニック発の訪問リハは、リハビリ職の仲間が多く、医療的なバックアップ(医師がすぐそばにいる安心感)が強いのが特徴です。一方、訪問看護ステーションは「生活」に密着した看護師の視点を取り入れながら、より自立したリハビリを組み立てられる楽しさがあります。
3. 給与・年収相場と「インセンティブ(歩合)」の違い
お金の面は、2つの働き方で最も差がつきやすいポイントです。

- 訪問リハビリ(病院・クリニック発):
- 年収目安: 約400万〜500万円
- 特徴: 病院の給与規定に準じることが多く、「固定給+賞与」の安定した体系が一般的です。インセンティブ(件数手当)を導入している病院は少なく、大幅な高収入は狙いにくいですが、賞与や福利厚生が手厚い傾向にあります。
- 訪問看護ステーション(リハビリ職):
- 年収目安: 約420万〜600万円以上(実力次第)
- 特徴: 民間運営が多いため、「基本給+インセンティブ(訪問インセン)」を導入しているステーションが非常に多いです。「月○件以上の訪問から、1件につき3,000円〜4,000円支給」といった明確な歩合制があり、自分の頑張り(訪問件数)次第で一般スタッフであっても年収550万〜600万円超えを達成できます。
4. 将来性や役職はどう変わる?キャリアパスの違い
長く在宅医療に関わる上で、将来どのようなポストを目指せるかも重要な比較ポイントです。
- 訪問リハビリ(病院・クリニック発):
基本的には病院の組織図に組み込まれているため、キャリアアップの方向性は「リハビリテーション部門の主任・技師長」といったリハビリ職としての縦割りの役職を目指すことになります。大手の医療法人であれば安定した昇格・昇給が狙えますが、ポストの数が限られているのが難点です。 - 訪問看護ステーション(リハビリ職):
民間企業の参入が多く、多店舗展開をしている法人も多いため、キャリアの選択肢が非常に幅広いです。現場を極めるスペシャリストはもちろん、リハビリチームをまとめるリーダー、さらにはステーション全体の運営を任される「管理者(所長)」への道も開かれています。また、実務経験を積んだ後に自ら会社を立ち上げ、経営者として独立する理学療法士が最も多いのも訪問看護ステーションの特徴です。
5. 訪問看護ステーションの管理者は、理学療法士でもなれるのか?
「訪問看護」という名前から看護師しか管理者になれないと思われがちですが、結論から言うと、理学療法士(PT)でも法律上問題なく管理者(所長)になれます。
厚生労働省の規定(人員基準)において、管理者の要件は以下のように定められています。
💡【訪問看護ステーションの管理者要件】
保健師、看護師、または「管理職として適当と認められる者」であること。
この「管理職として適当と認められる者」の中に理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が含まれており、実際に理学療法士が所長を務めるステーションは全国に数多く存在します。
ただし、理学療法士が管理者を目指す、あるいは勤めるにあたっては、以下の3つの現実を理解しておく必要があります。
- 大幅な年収アップが狙える
管理者手当などがつくため、年収550万〜750万円、業績が良いステーションであればそれ以上を目指すことも十分に可能です。 - ステーションに「看護師」は絶対に必要
リハビリ職だけでステーションを運営することはできません。訪問看護ステーションの開設・維持には「常勤換算で2.5人以上の看護職員」が必要です。理学療法士がトップとして、現場で働く看護師たちをマネジメントしていく形になります。 - 現場から離れ「経営・管理」がメインになる
現場のリハビリ業務を減らし(または離れ)、スタッフのシフト管理、看護師とリハビリ職の連携調整、売上管理(レセプト)、地域のケアマネジャーへの営業活動といったマネジメント業務が主軸となります。
将来的に自分で訪問看護ステーションを立ち上げて独立したいと考えている理学療法士にとって、まずは雇用されながら「管理者」として運営の実務を経験することは、これ以上ない強力なステップになります。
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6. 【タイプ別】理学療法士はどちらを選ぶべき?求人の選び方基準
あなたの「理想の働き方」や「将来の目標」に合わせて、どちらの求人に応募すべきかの基準をまとめました。

病院・クリニックの「訪問リハビリ」が向いている人
- まだ訪問未経験なので、医師が近くにいる環境で医療依存度の高い患者のリスク管理を学びたい
- インセンティブで一喜一憂するより、毎月安定した固定給と賞与(ボーナス)が欲しい
- ゆくゆくは院内の外来リハや回復期リハ、あるいは老健のマネジメントなどにも戻れる選択肢を残したい
「訪問看護ステーション」のリハビリ職が向いている人
- とにかく訪問件数をこなして、自分の実力と努力で高収入(年収550万円以上など)を稼ぎ出したい
- 看護師と密に連携し、医療ケアとリハビリが融合した質の高い在宅ケアを提供したい
- 将来的にステーションの管理者(所長)になったり、自ら開業・独立したりするビジネス視点・キャリアパスに興味がある
7. まとめ:あなたの価値観に合った理学療法士求人を「ジョブソエル」で見つけよう
訪問リハビリ(病院・クリニック発)と、訪問看護ステーション(リハビリ職)は、一見同じように見えて「働き方の環境」も「お財布事情(給与体系)」も、そして「将来のキャリアパス」も大きく異なります。
どちらの働き方が優れているということは決してありません。
- 医療的なバックアップのもと、安定した固定給や他職種の療法士とのつながりを重視したいなら「病院・クリニックの訪問リハ」
- インセンティブによる高収入を目指したり、将来的な管理者・独立開業といったビジネススキルを磨いたりしたいなら「訪問看護ステーション」
このように、ご自身のライフスタイルや「将来どうなりたいか」という価値観に合わせて最適な職場を選ぶことが、転職を成功させる最大のポイントです。
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